「台風1号」発生 始まった今年の台風シーズン
今年の台風シーズンの始まりです。
26日朝、台風第1号がフィリピンの東の海上で発生しました。気象庁によると、今後同じような勢力のままゆっくりと北上しますが、29日には熱帯低気圧へと弱まる予想で、上陸の恐れはないようです。しかし、グアムやサイパンといった周辺の島々には、雨や高波などの影響がありそうです。
4月の台風
ところで、台風は北半球が冬である1月にも発生するので、4月の発生が遅いようにも聞こえます。しかし1951年からの統計では、5年に一度のペースで4月末まで台風が発生しない年があり、とりわけ珍しいことではなさそうです。
ただ、過去には早々に発達した台風があって、4月に日本に上陸したケースもあります。ちょうど61年前の昨日(25日)、台風3号が鹿児島県大隅半島に上陸しました。
台風の命名
周知のように日本では、台風の発生順に通し番号をつけています。サンフランシスコ講和条約締結後1953年の2号台風から、この番号制がとられているのですが、国際的には一つ一つ名前が付けられています。
2000年までは米軍の気象観測センターが名前を付けていました。例えば、1949年のキティ台風とか、1950年のジェーン台風などがそれです。それ以後は、東アジアを中心とする14カ国等からなる「台風委員会」によって決められていて、リストには、各国がそれぞれ選んだ10個、計140個の呼び名が並んでいます。
例えば、今年の1号の国際名は「ムイファー(Muifa)」で、これはマカオが命名した「梅の花」を意味する言葉です。多くの国等が、鳥や植物の名前などを選んでいます。
一方で日本は星座の名前で統一していて、「てんびん、やぎ、うさぎ、かじき、かんむり、コップ、コンパス、とかげ、はと」があります。そんな星座があったのかと驚く名前も多いですね。それもそのはず、かじき座やコンパス座などは日本からでは見られない星座のようです。
(すべてのリストはこちらの気象庁のホームーページに掲載されています。)
削除されたハリケーン名
しかし、これらの呼び名もリスト上から削除されることがあります。それは台風が大災害をもたらした時などで、以後その名前は使用しないように変更されることがあるのです。
ただアメリカのハリケーン発生海域では、それ以外の理由で名前が削除されたことがあります。そのハリケーンの名前は、「ISIS(アイシス)」です。御察しの通り、中東の過激派組織と名前が同じであることから、2015年に削除されました。政治情勢は台風の名前にも影響を及ぼすようです。
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