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沢村賞が2度以上の投手たち。山本由伸が今年も受賞すれば、3年連続は史上2人目

宇根夏樹ベースボール・ライター
澤村榮治像/近鉄宇治山田駅前(筆者撮影)

 山本由伸(オリックス・バファローズ)は、過去2年とも、沢村栄治賞に選ばれている。2度以上の受賞は、山本が15人目。杉下茂金田正一村山実斎藤雅樹は、3度ずつ選出されている。

筆者作成
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 連続受賞は、杉下(1951~52年)、金田(1956~58年)、村山(1965~66年)、斎藤(1995~96年)の4人と、読売ジャイアンツの菅野智之(2017~18年)に続き、山本が6人目だ。これまでの5人のうち、3年続けて沢村賞を手にしたのは、金田だけ。山本が今年も受賞すれば、史上2人目となる。

 1951~54年の4シーズンに沢村賞が3度の杉下は、3年連続の受賞にリーチをかけた1953年も、23勝を挙げた。ただ、1950~55年の6シーズン中、25勝未満はこの年しかない。他の5シーズンは26勝以上だ。また、1953年の防御率2.83は、セ・リーグのトップ10に入らなかった。この年の沢村賞は、最多勝(27勝)&最優秀防御率(1.85)の大友工が受賞した。

 1965~67年の3シーズンは、それぞれ、村山、村山と堀内恒夫小川健太郎が受賞。1995~97年は、斎藤、斎藤、西口文也だ。菅野の連続受賞に続く2019年は、該当者なしとなった。こちらは5度目。過去の4度は、1971年、1980年、1984年、2000年だ。

 なお、2リーグ制となった1950年から1988年まで、パ・リーグの投手は選考対象ではなかった。別所昭/毅彦は、南海ホークス(現・福岡ソフトバンク・ホークス)時代の1947年に初代の受賞者となったが、この当時は1リーグだった。

 通算勝利トップ5のうち、沢村賞を受賞しているのは、1位の金田(400勝)、3位の小山正明(320勝/1962年受賞)、5位の別所(310勝)の3人だ。2位の米田哲也(350勝)と4位の鈴木啓示(317勝)は、選考対象がセ・リーグの投手に限られていた時代に投げた。米田の白星は、338勝目までが阪急ブレーブス(現・オリックス・バファローズ)で挙げたものだ。鈴木は、近鉄バファローズでキャリアを全うした。

 パ・リーグに限ると、山本の受賞2度は、斉藤和巳と、東北楽天ゴールデンイーグルスの田中将大に並び、最も多い。パ・リーグで2年続けて受賞は、山本以外にいない。

 山本については、こちらでも書いた。

「山本由伸がリーチをかける「3年連続の防御率1点台」は誰が達成しているのか。最長はダルビッシュ有」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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