10点満点中6.4点…あまりに意外すぎる結果が出た韓国の「生活の質」満足度
韓国の人々は今の“生活の質”にどのくらい満足しているか。
それを問う、韓国文化体育観光部(部は日本の省に相当)の調査結果が意外だった。6月4日に発表した「国民の生活の質・世論調査」の結果だ。
というのも、自国を「地獄のような国」という意味で“ヘル朝鮮”と揶揄する韓国の若者たちの数字が、それほど悪くなかったのである。
(参考記事:自国を“ヘル朝鮮”と揶揄する韓国の若者たち…彼らはなぜ絶望しているのか)
総合的な「生活の質の満足度」を世代別に見てみると、10.0点満点中6.8点をつけた「19~29歳」がトップ。続いて「30代」が6.6点となっており、以降「40代」6.4点、「50代」6.3点、「60代以上」5.9点となっている。
「スプーン階級論」などと造語を作っていたが
全体の平均は6.4点。年齢の上昇とともに満足度が下がるという結果だったのだ。
韓国の若者たちが平均よりも高い数字を出したということだが、彼らは「スプーン階級論」「起承転“鶏”」といった造語を作りつつも、自分なりの満足を見つけているということになるだろう。
(参考記事:韓国の若者たちが作り出した社会的身分制度「スプーン階級論」とは)
実際にこの調査では「5年後の生活の展望」についても調べられており、回答者の48.6%が今後良くなるという肯定的な回答をしており、否定的な回答(25.4%)に比べてとても楽観的だ。
ただ一方で、韓国の若者たちに関する数字で気になる点もある。ともに暮らす人数が「生活の質の満足度」に影響していることがわかったからだ。
「一人暮らし」は生活の満足度が低い
例えば、満足度がもっとも高いのは「4人世帯」の6.6点で、次いで「5人以上」(6.3点)、「2人世帯」(6.2点)となっている。「1人世帯」、つまり一人暮らしの数字は6.0点でもっとも低い。つまり、ともに暮らす人がいる生活のほうが、満足度が高いという結果だ。
韓国では現在、「1人世帯」が急激に増えている。
韓国統計庁の「人口住宅総調査」によれば、1990年から2005年までは「4人世帯」が、2010年は「2人世帯」がもっとも多い割合を占めていたが、最新となる2016年の調査結果では27.2%を占めた「1人世帯」(520万3000世帯)が最多となった。
“ナホル族”“cocoon族”とも呼ばれる層も増えており、彼らの行動を分析してマーケティングにつなげる企業も少なくない状況だ。
「地球上で真っ先に消え去る国」とも
「1人世帯」が増加している原因は、若者の“結婚離れ”にあるとの指摘が多い。
韓国の未婚率は1960年の2.1%から、2010年には39.9%(いずれも韓国統計庁)にまで上昇。統計開発院の「韓国の社会動向2015」を見ても、未婚率は30~34歳38.5%、35~39歳19.1%となっており、1995年から2倍以上も上がっている。
さらに数年後には人口絶壁を迎えるとの調査結果もあり、イギリスのオックスフォード人口問題研究所が「地球上で真っ先に消え去る国は韓国」と指摘しているほどだ。
(参考記事:「地球上で真っ先に消え去る国は韓国」…3年後に迎える“人口絶壁”の原因は)
それほど深刻でなかったとしても、家族が多いほど生活の満足度が高いとなると、一人暮らしが増えている現状が今後、生活の満足度に影響を与えていくことが予想される。
いずれにしても「生活の質」に関する調査が韓国で行われたのは、今回が初めてのこと。今後も同様の調査が定期的に行われていくということで、どんな変化が出てくるか注目してみたい。