リンゴ病が感染拡大 妊娠中の影響について知っておくべきこと #専門家のまとめ
伝染性紅斑(リンゴ病)の感染が拡大しています。
子どもに多い疾患ではありますが、妊娠中に感染すると流産や胎児の異常を引き起こす可能性があり、関連学会が注意喚起をしています。
今回は、産婦人科医として皆さんに知っておいてほしいことをまとめました。
ココがポイント
エキスパートの補足・見解
リンゴ病は「パルボウイルスB19」が引き起こす感染症です。日本では約5年ごとに流行を繰り返しています。
通常、風邪のような症状が出現し、その後に両頬などに赤い発疹が出る経過をたどります。子どもに多く、1週間程度で回復することが多いです。
しかし、妊婦さんが感染すると流産や胎児貧血、子宮内死亡を引き起こす可能性があり注意が必要です。なお、胎児感染の確率は約20〜40%程度とされていますが、妊娠中期以降の胎児感染では影響が出にくくなります。感染が不安な場合は、健診先で抗体検査やエコー検査について相談しましょう。
ワクチンはなく、基本的な感染対策以外の予防法が確立されていないので、まずはしっかりした知識を持ち、日頃からの感染対策( 感染者の咳やくしゃみを吸い込まないようにマスクをする、感染者と食器などを共有しない、よく手を洗う・こまめにうがいをする等)を徹底していただくことが大切です。
妊婦さん自身だけでなく、ご家族や職場の皆さんなどが注意することで、感染リスクを下げることができます。ぜひ意識してこの冬を過ごしていただければ幸いです。