開業未定の北海道新幹線、札幌延伸工事 倶知安駅から先では札幌方面に森が切り開かれ高架区間の工事進む
現在、建設が進められている北海道新幹線の札幌延伸工事について、建設主体である鉄道・運輸機構はトンネル工事の遅れなどから当初予定していた2030年度末の開業を断念。開業時期は未定となった。北海道新幹線の札幌延伸開業が未定となった原因は、トンネルの難工事に加えて建設作業員の確保の難しさがあるという。
北海道新幹線で、一番の難工事となっているのは、後志地区の羊蹄トンネル比羅夫工区で、このトンネル工事では予想していなかった巨大な岩塊群にぶつかったことから2021年7月に工事が中断し、現在は4年遅れでトンネル工事が進められている。さらに2024年度になり建設作業員の残業規制が強化されたことに加え、北海道千歳市で建設が進む次世代半導体工場ラピダスの建設現場に作業員が取られ、新幹線建設工事の建設作業員が不足する懸念も指摘されている。
こうした状況の北海道新幹線の札幌延伸工事であるが、明かり区間の工事については順調に進んでいるようだ。筆者は先日、倶知安町内の建設現場を訪れたところ、国道5号線との交差部分では札幌方面に向かって一直線に森が切り開かれている様子を見ることができた。
北海道新幹線は、長万部から札幌に向かって最短距離で結ぶよなルートが取られほとんどの区間がトンネルで建設されているが、長大トンネル工事がここまで難工事になるのであれば、東室蘭、苫小牧経由で平地に高架橋を主体として建設したほうが、建設工期も早められるうえに車窓風景も楽しめることから観光面でも価値の高い路線にできたのではないだろうか。
(了)