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『ぼざろ』、『MyGO!!!!!』、『ガルクラ』…ガールズバンドアニメの魅力 #専門家のまとめ

河嶌太郎ジャーナリスト(アニメ聖地巡礼・地方創生・エンタメ)
現在公開中の「劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく!」に染まった映画館(筆者撮影)

 女子高生達によるバンド活動に焦点を当てたアニメ作品が一つの流行になっています。2022年10月から12月にかけて『ぼっち・ざ・ろっく!』(『ぼざろ』)が放送され、ブルーレイ1巻が約2万枚を売り上げる大ヒットに。翌23年6月から9月にかけて、『BanG Dream! It's MyGO!!!!!』が放送され、話題を集めました。そして、24年4月から6月にかけて、『ガールズバンドクライ』(『ガルクラ』)が放送され、現在注目を集めています。3作品の魅力についてまとめました。

ココがポイント

▼ロックを陰キャのためのものと捉え、登場人物の成長を描いた『ぼざろ』。影だけでなくコミカルさも両立して描いた作風が魅力的

▼バンド解散後の人間関係の対立と葛藤、そして再生を描いた『MyGO!!!!!』。声優達によるリアルバンドとしても高い人気がある

▼音楽展開から先行し、今期TVアニメ初放送した『ガルクラ』。主人公達のバンド「トゲナシトゲアリ」はリアルバンドとしても展開中

エキスパートの補足・見解

 上記3作品はYouTube上でも人気があり、特に『ぼざろ』の「ギターと孤独と蒼い惑星」のミュージックビデオは3633万再生。『ガルクラ』の「爆ぜて咲く」のMVは1200万再生を突破しています(いずれも2024年6月末時点)。『ぼざろ』に登場する主人公達のバンド「結束バンド」は基本的にボーカルのみ声優が歌う形でのリアルバンド活動としても展開しています。そして「MyGO!!!!!」と「トゲナシトゲアリ」は声優自身がボーカルや楽器演奏を手がけるリアルバンドとしても活動しています。

 また、3作品とも東京近郊を舞台にしているのも特徴です。『ぼざろ』は世田谷区の下北沢や、横浜市の金沢八景などが舞台に、『MyGO!!!!!』は池袋周辺が舞台に、そして『ガルクラ』は川崎駅周辺など川崎市東部が舞台になっています。「聖地巡礼」としての人気もある作品で、今後の地域の動きにも期待が集まります。

ジャーナリスト(アニメ聖地巡礼・地方創生・エンタメ)

1984年生まれ。千葉県市川市出身。早稲田大学大学院政治学研究科修士課程修了。「聖地巡礼」と呼ばれる、アニメなどメディアコンテンツを用いた地域振興事例の研究に携わる。近年は「withnews」「AERA dot.」「週刊朝日」「ITmedia」「特選街Web」「乗りものニュース」「アニメ!アニメ!」などウェブ・雑誌で執筆。共著に「コンテンツツーリズム研究」(福村出版)など。コンテンツビジネスから地域振興、アニメ・ゲームなどのポップカルチャー、IT、鉄道など幅広いテーマを扱う。

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