新年は人生の分かれ道……実在する本物の「分水嶺」に行ってみた【鳴子温泉郷近くのパワースポット】
新年あけましておめでとうごございます。
新しい年を迎えて、「今年こそは」と決意をあらたに、新しいことにチャレンジする人もいるのではないだろうか。
そういう意味では、新年は人生を変える大きな岐路、まさに「分水嶺」といっても過言ではない。
ところで、「分水嶺」という言葉はよく使われるが、本物の分水嶺を目にしたことはあるだろうか。
分水嶺は「物事の方向性が決まる分かれ目」のたとえとして使われる言葉だが、もともとは「雨水が異なる水系に分かれる山稜(場所)」のことである。
となると、人が踏み入れることができない山深い場所にあるイメージだが、実は気軽に立ち寄れる分水嶺が山形県と宮城県の県境にある。
温泉めぐりの途中で立ち寄りも
アクセスするには、仙台市(宮城県)と酒田市(山形県)を東西に結ぶ国道47号、あるいは国道と並行するように走るJR陸羽東線を利用する。
実はこの山形県と宮城県をまたぐルートは、温泉の宝庫である。宮城県側には東北を代表する鳴子温泉郷、山形県に入れば赤倉温泉、瀬見温泉などの名湯が湧く。筆者は、ひそかに「みちのく温泉街道」と呼んでいる。
分水嶺は、鳴子温泉郷と赤倉温泉を結ぶルートの途中にある。目印は「封人の家」だ。松尾芭蕉が「おくのほそ道」の旅の途中で逗留したといわれ、現在は国の重要文化財に指定されている。国道47号は、歴史的には松尾芭蕉のおくのほそ道のルートとも重なっているのだ。
封人の家の正面にある駐車場に車を停めて、山間の開けた土地へと分け入っていく。ちょろちょろと小川のせせらぎが聞こえてくる。
ちょうど蕎麦の花が咲く季節で、のどかで美しい景色が広がっていた。
5分ほど歩くと、いよいよ目的地に到着。
小川の流れは小さな鳥居をくぐり、2つの方向に分かれている。これが「堺田分水嶺」だ。西側に流れる川は日本海へ、東側へ流れる川は太平洋へと続いている。どちらかに進むかで、行き着く場所がまったく異なるというわけだ。
何も案内がなければ、見過ごしてしまうような景色だが、ここが分水嶺だという予備知識があると、なんとも感慨深い。30分くらいボーっと川の流れを見ていても飽きない。
分水嶺と同じように、人生もまたどちらに進むか、何を始めて何をやめるかで、その結果は大きく変わるものだろう。
人生の岐路に立たされている人、もやもやとした感情にとらわれている人は、堺田分水嶺を訪れてみてはいかがだろうか。何か感じるものがあるかもしれない。
堺田分水嶺
山形県最上町大字堺田89
JR堺田駅よりすぐ
最上町 交流促進課 交流観光係 0233-43-2262