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このスラッガーはヤンキースの「救世主」になるのか。AAでリハビリ出場を開始。来週中に復帰予定

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジャンカルロ・スタントン(ニューヨーク・ヤンキース)Jun 26, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 7月8日まで、ニューヨーク・ヤンキースは、84試合で勝率.726(61勝23敗)を記録していた。ところが、その後の37試合は勝率.324(12勝25敗)だ。依然として地区首位ながら、2位との差は、15.5ゲームから7ゲームに縮まっている。

 2つのスパンを比べると、1試合の平均得点は5.2→4.6、平均失点は3.0→4.6。どちらも、明らかに悪化している。また、8月9日以降の11試合(2勝9敗)は、平均1.9得点と平均4.1失点だ。8月17日の8得点――ジョシュ・ドーナルソンのサヨナラ・グランドスラムにより、8対7で勝利――を除く10試合は、いずれも3得点以下にとどまっている。しかも、そのうちの8試合は2得点以下だ。

 得点の減少は、マット・カーペンターの離脱も一因だろう。8月8日に左足を骨折するまで、カーペンターは、出場47試合で15本のホームランを打っていた。それについては、「ヤンキースにアクシデント発生。ジャッジを上回るペースで本塁打を打っていた選手が離脱する」で書いた。

 カーペンターが戻ってくるのは、レギュラーシーズンの終盤になりそうだ。一方、左のアキレス腱を痛め、7月下旬から故障者リストに入っているジャンカルロ・スタントンは、復帰が近づいている。8月20日にリハビリ出場を開始。AAの試合に「2番・DH」として出場した。順調にいけば、アウェーでオークランド・アスレティックスと対戦する8月25日~28日のどこかで、ヤンキースのスターティング・ラインナップに再び並ぶはずだ。

 スタントンは、シーズン30本塁打以上を6度記録している。59本塁打の2017年以外は40本未満ながら、2012年と2014年は37本ずつ、2018年は38本、昨シーズンは35本だ。今シーズンも、離脱するまでの出場80試合で、24本のホームランを打っていた。

 スタントンが戻ってくれば、20本塁打以上の3人、46本のアーロン・ジャッジ、28本のアンソニー・リゾー、24本のスタントンが続くことで――前半戦は、2番、3番、4番に位置することが多かった――相乗効果も期待できる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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