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プロテニスプレーヤー・尾﨑里紗が、今季限りでの現役引退を表明。「テニス選手以外の人生も歩んでみたい」

神仁司ITWA国際テニスライター協会メンバー、フォトジャーナリスト
現役は今季限りと引退表明をした尾﨑里紗(写真/神 仁司、2021年3月撮影)

 ダイナミックかつパワフルなフォアハンドストロークを武器にしてワールドプロテニスツアーで活躍し、多くのテニスファンを魅了してきたプロテニスプレーヤー・尾﨑里紗(江崎グリコ所属)が、2022年シーズン限りで現役引退することを表明した。28歳での決断となった。

 兵庫県神戸出身の尾﨑は、ジュニア時代に、2006年全国小学生テニス大会でシングルス優勝、2010年全日本ジュニア16歳以下で単複優勝、2011年全日本ジュニア18歳以下で単複優勝するなどの活躍をして、2012年12月にプロへ転向した。

 尾﨑の同期には、ジュニア時代から、日比野菜緒、二宮真琴、穂積絵莉、加藤未唯、澤柳璃子、小和瀬望帆といった才能ある選手が多く、全員1994年生まれということから“94年組”と呼ばれた。プロになってからも、尾﨑は、彼女らと切磋琢磨していくことになる。

 プロ転向後は、ツアー下部のITF大会で優勝するなどして、ランキングを徐々に上げていき、2016年に世界ランキングでトップ100入りを果たした。

 2017年シーズンには、テニスの4大メジャー大会であるグランドスラムにすべて本戦から初出場を果たし、USオープン1回戦では、嬉しいグランドスラム初勝利を挙げた。 

 また、2017年マイアミオープンでは、グランドスラムに次ぐグレードのプレミアマンダトリー(現在のWTA1000)というレベルの高い大会で、予選から勝ち上がり、本戦では強豪を連破してベスト16に進出し、尾﨑のハイライトの1つとなった。この大会後には、自己最高となるWTAランキング70位(2017年4月24日付)を記録した。

 2020年3月に、神奈川・横浜で開催されたITF2万5000ドル大会で、初戦敗退以来、試合には出場しておらず、現在、WTAランキングは1059位(8月15日付)となっている。

 現役引退を表明した尾﨑は、以下のコメントを残している。

「応援してくださっている皆様。

私、尾﨑里紗は今シーズンをもちまして現役を引退することを決意いたしました。

8歳からテニスを始め17歳でプロになり、小さい頃からの目標であったトップ100位、そしてグランドスラムに出場できました。

これまでのテニス人生の中で苦労したことも数え切れないほどありましたが、それ以上に大きな喜びもたくさんあり、テニスを通してしてきた経験は、私にとって人生の財産です。

ここ数年はけがやコロナ禍の影響もあって、今後の自分の人生について考える時間が増えました。

プロとして見た景色はとても素晴らしいものでしたが、テニス選手以外の人生も歩んでみたいと思うようになり引退を決断した次第です。

幸せなテニス人生を過ごし、今まで続けてこられたのは、支えてくださったスポンサー様、家族、そして、いつも応援してくださっていたファンの皆様のおかげです。心から感謝を申し上げます。

今後出場する大会は未定ですが、残り少ない現役生活を全力で過ごしていきたいと思っていますので、温かく見守っていただけたら嬉しいです。                                                   

                                 尾﨑里紗」

2017年安藤証券オープンのレセプションパーティーでの尾﨑(写真中央)(写真/神 仁司)
2017年安藤証券オープンのレセプションパーティーでの尾﨑(写真中央)(写真/神 仁司)

 今後、練習を続けている尾﨑は、秋シーズンに日本で開催されるITF大会で、ワイルドカード(大会推薦枠)を獲得してのプレーを試みるが、現段階でラストプレーとなる大会は決まっていない。

 今一度、最後にテニスコートで尾﨑がプレーする姿を見たいところだが、約10年にわたる彼女の集大成を目に焼き付けるチャンスがあることを願いたい。

ITWA国際テニスライター協会メンバー、フォトジャーナリスト

1969年2月15日生まれ。東京都出身。明治大学商学部卒業。キヤノン販売(現キヤノンMJ)勤務後、テニス専門誌記者を経てフリーランスに。グランドスラムをはじめ、数々のテニス国際大会を取材。錦織圭や伊達公子や松岡修造ら、多数のテニス選手へのインタビュー取材をした。切れ味鋭い記事を執筆すると同時に、写真も撮影する。ラジオでは、スポーツコメンテーターも務める。ITWA国際テニスライター協会メンバー、国際テニスの殿堂の審査員。著書、「錦織圭 15-0」(実業之日本社)や「STEP~森田あゆみ、トップへの階段~」(出版芸術社)。盛田正明氏との共著、「人の力を活かすリーダーシップ」(ワン・パブリッシング)

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