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現代将棋界の第一人者・渡辺明棋王(36)棋王位9連覇&タイトル獲得通算28期達成

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 3月17日。東京都渋谷区・東郷神社において第46期棋王戦五番勝負第4局▲糸谷哲郎八段(32歳)-△渡辺明棋王(36歳)戦がおこなわれました。棋譜は公式ページをご覧ください。

 9時に始まった対局は17時8分に終局。結果は98手で渡辺棋王の勝ちとなりました。

 渡辺棋王は五番勝負を3勝1敗で制し、棋王位を防衛。9連覇を達成しました。

 渡辺棋王はこれまで棋王9期、竜王11期、王将5期、名人1期、王座1期、棋聖1期を獲得。通算タイトル獲得数は28を伸ばしました。これは谷川浩司九段(27期)を抜き、史上単独4位の記録です。

渡辺棋王「(五番勝負は)長手数の大変な将棋が多かったんで。そういう中終盤の手数が長くなったときに競り負けないようにというか。2局目からはそういう意識で戦おうかなと。(棋王位9連覇は)やっぱり長く持たせてもらってるんで・・・。自分でも過去に並ぶ記録(竜王位9連覇)のところまでこれたので。それは意識していたことなので、達成できたのはよかったなというところですね。(タイトル通算28期は)一概に比べられるものではないんですが、一応そうですね、谷川先生を上回ることができたっていうのは・・・。小さい頃から目標にしてきた先生なので、それは非常に誇らしいことだと思います」

 王将、棋王を立て続けに防衛し、三冠を堅持した渡辺棋王。4月から開幕する名人戦七番勝負では、斎藤慎太郎八段(27歳)の挑戦を受けます。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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