特許庁が「ブラック・サバス」は日本では著名ではないと判断
ちょっと前に、英国のヘビメタバンド、ブラック・サバスのメンバーを請求人とする拒絶査定不服審判がありました(特許情報プラットフォームの審決公報DBメニューに審決番号2017-650015を入力すると審決文を参照できます)。
これは、「BLACK SABBATH」という商標登録出願(マドリッドプロトコル国際登録経由)が、商標法4条1項8号違反で拒絶されていたのに対して、出願人であるブラック・サバスのメンバーが不服を申立てた審判です(他にも論点はありますが、補正により解消したので説明省略)。
特許庁のもともとの拒絶理由は、
ということでした。出願人が、Anthony Frank Iommi(トニー・アイオミ)とJohn Michael Osbourne(オジー・オズボーン)なのでビル・ワードギーザー・バトラーの承諾書が得られていないということでしょう。サインひとつもらえば済む話なのですが、何かもらえない事情があったのでしょうか?
さて、結果的にこの審決により、無事商標登録は認められたのですが、その理由はちょっと衝撃的でした。
ということです。要するに、ブラック・サバスは日本では著名でないので、4条1項8号の「著名な芸名」にあたらない(ゆえに、登録を認める)というものです。結果的には商標登録が認められたわけですが、ブラック・サバス側としては喜んでいいやら悲しんでいいやらという感じではと思います。ただ、実際のところ、商標法における「著名」のハードルは結構高いので、音楽ファン以外にも広く知られているかという観点で言えばしょうがないかなという感じもします。