「鬼滅の刃」の快進撃続く 「煉獄さん200億円の男」視野に 「千と千尋」抜くことに複雑の声も
人気アニメ「鬼滅の刃」の劇場版「無限列車編」の興行収入(興収)が3週目で150億円を突破しました。このペースを維持すれば来週にも200億円に届きます。ネットでは早くも「煉獄(れんごく)さんを200億円の男に」と盛り上がっています。
「鬼滅の刃」は、「週刊少年ジャンプ」(集英社)で2016年から今年5月まで連載された吾峠呼世晴(ごとうげ・こよはる)さんのマンガが原作です。優しい少年・竈門炭治郎(かまど・たんじろう)は、鬼にされた妹を元に戻す手がかりを探すために戦います。劇場版では、鬼を倒す「鬼殺隊(きさつたい)」の一員になった炭治郎が、鬼殺隊の最強の一人・煉獄杏寿郎(れんごくきょうじゅろう)と共に行方不明者が出る列車に乗り込みます。
劇場版アニメの興収は、初週(3日間)で約46億円、2週目で約108億円、今週の3週目で約157億円です。以前にも業界関係者にも尋ね、固く見積もった150億円のラインを、公開からわずか3週目で突破しました。「あれだけニュースで露出があって、スクリーン数があれば当然」という指摘もあり、それは正しいのでしょうが、何を上映しても観客が来るわけではありませんから、驚異的というしかありません。
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ネットでは、興収100億円達成時に、作中で大活躍する煉獄杏寿郎にひっかけて「煉獄さん100億円の男」と盛り上がりました。そして「興収157億円」のニュースを受けて、早くも興収200億円を意識する書き込みが目立ちます。今後ペースが落ちても「200億円の男」になる確率は高いといえそうです。
これから先はさすがにペースは落ちてくる可能性があり、さらに11月20日公開予定の「STAND BY ME ドラえもん2」という有力作が控えています。「鬼滅の刃」としては、「ドラえもん2」」の公開までどれだけ興収を積み上げるかがカギになりそうです。
トップの「千と千尋の神隠し」(約308億円)を上回る勢いの数字ですが、「射程圏」と判断するにはまだまだ早いでしょうか。同時に、「千と千尋の神隠しが1位であり続けてほしい」「抜くのは複雑かも」という書き込みもあったりして、ファンの微妙な心理も現れているのが面白いところです。
正直言えば、これまでの快進撃そのものが異例です。当然、これから先も未知の世界です。業界の常識に照らせば「千と千尋の神隠し」には届かないと考えるのでしょうが、ここまでの勢いも予想外だったはずです。「鬼滅の刃」の快進撃がどこまで続くか、ぜひ注目したいと思います。