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ヤクルト近藤が球団タイの39HP! プロ17年目での初タイトルにも期待

菊田康彦フリーランスライター
巨人対ヤクルト戦が行われた東京ドーム(筆者撮影)

 東京ヤクルトスワローズの近藤一樹(35歳)が、9月12日に東京ドームで行われた読売ジャイアンツ戦に4番手で登板。1イニングを無失点に抑え、今季33個目のホールドを手にした。これで近藤は救援での6勝と合わせて39ホールドポイント(HP)となり、球団記録に並んだ。

2016年のルーキと並ぶ球団記録

 この日の近藤は、チームが1対1の同点に追いついた直後の9回裏に登板。四番・岡本和真から始まる巨人の攻撃を3者三振に封じ、後続にバトンを渡した。試合はそのまま延長12回の末に引き分けに終わり、近藤にはホールドが記録された。

 救援投手の記録としては「セーブ」がよく知られているが、これが付くのは一定の条件下で勝ちゲームを締めくくった投手だけ。そのため、いわゆる中継ぎ投手に与えられる記録として考案されたのが「ホールド」であり、日本プロ野球(NPB)では2005年からセ・パ両リーグ共通の規定による公式記録となっている。

 ホールドと救援勝利の合計によるHPのシーズン最多記録は、中日ドラゴンズの浅尾拓也が2010年に樹立した「59」だが、ヤクルトでは2016年にジョシュ・ルーキがマークした「39」が最多。また、ヤクルトの年間ホールド記録は松岡健一が持つ「34」(2010年)で、近藤はこちらにもあと1つで並ぶことになる。

初の最優秀中継ぎ投手賞も

 近藤は2016年の途中まで在籍したオリックス・バファローズでは主に先発として投げていたが、同年夏にヤクルトに移籍してからは一貫してリリーフで登板。2017年は自己最多の54試合に投げてチーム3位の16HPを挙げ、今年はシーズン初めから勝ちゲームの終盤を担うセットアッパーとして起用されている。

 なお、近藤の39HPは現在セ・リーグトップで、2位の桑原謙太朗(阪神)とは9HP差。シーズンで最もHPの多かった投手は最優秀中継ぎ投手賞として表彰されるため、プロ17年目での初タイトルが期待される。

フリーランスライター

静岡県出身。小学4年生の時にTVで観たヤクルト対巨人戦がきっかけで、ほとんど興味のなかった野球にハマり、翌年秋にワールドシリーズをTV観戦したのを機にメジャーリーグの虜に。大学卒業後、地方公務員、英会話講師などを経てフリーライターに転身した。07年からスポーツナビに不定期でMLBなどのコラムを寄稿。04~08年は『スカパーMLBライブ』、16~17年は『スポナビライブMLB』に出演した。著書に『燕軍戦記 スワローズ、14年ぶり優勝への軌跡』(カンゼン)。編集協力に『石川雅規のピッチングバイブル』(ベースボール・マガジン社)、『東京ヤクルトスワローズ語録集 燕之書』(セブン&アイ出版)。

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