「金正恩現る!」7年ぶりの長期動静不明に大山鳴動して鼠一匹出ず!
金正恩(キム・ジョンウン)総書記が15日、三池淵市建設事業が締めくくられることに関連して第3段階工事の実態を調べるために三池淵市を視察した。
金総書記の視察には党序列No.3の趙甬元(チョ・ヨンウォン)組織担当書記(党政治局常務委員)の他に金徳訓(キム・ドックン)内閣総理(同)、軍トップの朴正天(パク・ジョンチョン)党書記(同)、組織担当の金才龍(キム・ジェリョン)党部長、朴勲(パク・フン)内閣副総理と建設部門の指導幹部が同行した。
両江道に属する三池淵は中朝境界にある朝鮮半島最高峰で一族の「白頭血統」を象徴する白頭山の麓に位置する。金総書記の指示の下、2016年から同地を「山間文化都市の標準、社会主義の理想郷」にすることを目指し、国を挙げてのプロジェクトが推進されている。住宅、ホテルなどの産業施設、病院などの公共施設、道路、鉄道のインフラ整備など多岐にわたる大規模な建設工事が行われている。
金総書記もすでに7回現地を視察し「金正日総書記の故郷であり、人々の心のふるさとである三池淵郡を立派につくるのは革命的義務である」とし、同地を「世界のどこにも遜色のないモデル郡、標準郡、模範郡として整えよう」と呼び掛けていた。しかし、工事は捗らず、2018年8月に視察した際には「新設した恵山―三池淵鉄道の路盤工事が不十分で、列車の振動がひどく、速度が出せない」と指摘し、路盤の補修工事のやり直しを命じていた。
また、翌年(2019年)10月16日に視察した際には2020年10月の党創建75周年までに「無条件完成させよ」と檄を飛ばしていたが、長引く国連の経済制裁や台風などの自然災害、そして「コロナ」の3重苦のため完成が大幅に遅れている。
朝鮮中央通信の報道によると、金総書記は三池淵市建設工事状況と都市経営実態、農業実態を見て回り「三池淵市建設は地方人民を文化的な物質・文化生活へ跳躍させるための一つの新しい革命の出発点になる」と述べていたが、ここでも食糧確保の重要性を強調し、「北部高山地帯の不利な条件の下でもジャガイモ栽培を波動なく安全に増やすための科学技術的考察と対策を立て、農業部門でもう一度ジャガイモ栽培の熱風を巻き起こすべきだ」と発破をかけていた。
金総書記の動静が伝えられたのは先月12日に「国防発展展覧会」で演説して以来、35日ぶりである。実に2014年の40日(9月3日~10日)に続く、長期不在となった。こうしたことから「健康を害しているのでは?」「対米政策を熟考中では?」「ミサイルの発射準備をしているのでは?」「元山別荘で減量に取り組んでるのでは?」等々様々な憶測が流れていた。
ミサイルの発射もなく、元気な姿で登場したことから「大山鳴動して鼠一匹出ず」となったが、1つ明白なことは長期休養の後はスリムになっていることだ。
今年も5月6日の軍人家族芸術公演を観覧したのを最後に約1か月間、姿をくらましたが、6月4日に党政治局拡大会議に現れた時は以前と比べて見るからに痩せていた。また、8月20日の平壌市内の住宅建設視察を最後に3週間近く動静が途絶えた時もあったが、9月10日の建国3周年の閲兵式には一段とスリムになって現れていた。さらに約3週間後の9月29日、最高人民会議の場に現れた時はさらに痩せていた。
労働新聞に掲載された視察写真を見る限り、一段と痩せたとの印象は受けないが、リバンドしていないことだけは確かなようだ。