平日も休日もテレビに夢中な高齢層…年齢階層別のテレビ利用実情(2023年公開版)
4大従来型メディア(テレビ、ラジオ、新聞、雑誌)の中でも一番市場規模が大きく利用者も多数、メディア力(りょく)も大きいのがテレビ。そのテレビの利用状況は時間帯、利用する人の年齢により大きな違いがある。その実情を総務省が2023年6月に情報通信政策研究所の調査結果として公式サイトで発表した「令和4年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」(※)の報告書や公開値を基に確認する。
今件の「行為者」とは10分以上連続して利用した人のことを指す。そして「テレビ(リアルタイム)」に該当する行為とは、テレビ番組のリアルタイムによる視聴を意味する。パソコンのチューナー利用による視聴やモバイル端末によるワンセグ視聴も含まれる。
まずは平日。就業中や授業中にテレビを観る機会はあまり想定できないため、日中は押し並べて値は低い。
それでも10代と比べて20代から50代で高めの値が出るのは、無職の人や専業主婦の人がいるからに他ならない。あるいは夜間就業の人も当てはまるだろう。報告書の詳細データには男女別の値も掲載されているが、それを見ると日中における現役世代の値は押し並べて女性の方が高い。10代は学校の授業で観る機会はほとんどないものの、大学生で授業が休みの場合もあるため、ゼロではない。一方20代以降は12時台でやや高めの値を示しているが、これは昼食の休憩時間に外食先でテレビを視聴する、あるいはワンセグなどを利用する機会があるからだと考えられる。専業主婦などはお昼時に食事をしながらテレビの番組を観る機会も多いだろう。
学校や仕事が終わる17時台ぐらいから、行為者率は急上昇の動きを示す。そして夕食時にかけて上昇は続き、夕食とその後の家族団らん的なリラックスタイムまで視聴は続く。おおよそ20~21時台がピークで、それ以降は24時台にかけて急激に行為者率は下がる。10代は早めの就寝時間の人もいるため、ピークが早く、その後の下がり方も急なものとなっている。
60代においては、朝食以降値が低下するのは他の階層と変わらないものの、低下しても一定率はテレビを視聴し続ける。回答時点で就業している人もいるが、多分に定年退職を迎えて自宅でテレビを観ている人がいるからに他ならない。昼食時の上昇、夕方以降の上昇も他階層と同じ傾向だが、日中も仕事などに従事をする必要もなく、視聴し続けている人がいるために、底の値が高い。
これが休日になると少々趣が変わる。
就業・授業の足かせが取り払われるために視聴傾向はどの年齢階層でも同じになるように思える。しかしやはり平日同様、おおよそ年上であるほど行為者率は高く、若年層ほど低い。休日でもテレビよりも他に、することがあるのだろう。
60代では視聴傾向そのものは他年齢階層とさほど変わらないものの、行為者率そのものは他の年齢階層より高く、さらに平日の60代よりも高い傾向がある。お昼時ではほぼ30%となり、午後に入ってからも20%前後の値を示す。休日はより多くの人がテレビ番組に夢中のようだ。
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※令和4年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査
今調査は2022年11月5日から11月11日にかけて、全国125地点をランダムロケーションクォータサンプリング(調査地点を無作為に抽出、地点ごとにサンプル数を割り当て、該当地域で調査対象者を抽出する方法)によって抽出し、訪問留置調査方式により、13歳~69歳の1500サンプルを対象としたもの。アンケート調査と日記式調査を同時並行で実施し、後者は平日2日・休日1日で行われている。よってグラフの表記上は「10代」だが、厳密には13~19歳を意味する。
調査のタイミングにより一部調査結果においてイレギュラー的な動きが確認できるが、これについて報告書では「経年での利用時間などの変化については、調査時期の違いによる影響や単年の一時的な傾向である可能性も否定できず、継続的な傾向の把握については今後の調査などの結果も踏まえる必要がある」と但し書きを入れている。さらに2020年分の調査については「令和2年度調査は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う、11都府県を対象とした緊急事態宣言下で行われたものであることにも留意が必要」との補足があった。
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