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子どもの爪噛み癖が気になる…どうやったらやめさせられる?

保育士ごんちゃん保育士/チャイルドカウンセラー

こんにちは!保育士ごんちゃんです。

現在、子育て支援保育士として地域の公民館や療育教室で親子遊び講座をしたり、地域の保健師さんと一緒に子育て講座にまわったりするような働き方をしながら、子育てに関する情報発信をしています。

そしてわたしも現役の子育て世代で、2人姉弟の育児に日々奮闘しています。

先日、子育て中のお母さんより、6歳の息子さんに関するこんなお悩みをいただきました。

【ペンネーム/Sayuさんより】
6歳と1歳の男の子のママです。
いつも優しい語り口で 的確な内容の配信に助けられています。ありがとうございます。

6歳の息子のことで相談させて頂きたいです。
年長組になった5月頃から 少しずつ 爪かみが見られるようになりました。

4月末に歯が初めて抜け、抜けたところをよく触っていたのですが、手を口に持っていく感覚の延長からなのか テレビを見ている時、叱られた時、ふとした時、睡眠不足の時 それほど頻繁にではないのですが、気がつくと噛むようになってしまい、 この2カ月間爪を切っていません。

この4月〜 引っ越しで転園したことの環境の変化も原因かもしれません。

疲れがたまっているのかな と無理させないようにし、噛んでいても注意せず 見守るようにしたり、そっと気をそらしたりしてきたのですが、やはり噛んでいる姿を見ると痛々しくて私が生理的に不快で、小さなストレスが蓄積していたのだと思います。
いつまで続くんだろう という不安や、 こんなに愛情注いでるのに私の接し方が悪いんだろうか と私自身が自分を責めてしまうことも増え、今月に入ってから噛んでいることを 注意することが増えてきてしまいました。
昨日 私の体調が悪い中、横で噛み始めた息子に思わず「噛んだらダメ!ばい菌が口の中に入ってお腹が痛くなるよ!」とかなり強く言い聞かせてしまいました。
止められませんでした。
そんなことをして治るわけがなく、今朝もまた噛んでいる姿を見て しんどくなり、相談のメールをさせて頂きました。
本当はそんなときもある、とおおらかに見守りたいのです。
環境が変化したけれど 保育園に楽しんで通ってくれていることを思うと、家では多少のことは受容したいのに、、
私が生理的に不快なこと、あとは正直 人の目が気になってしまい、辞めて欲しいと思ってしまうのです。
ごんちゃんは保育士としてたくさんの子どもを見てこられていると思うのですが、爪かみをする子を見たことはありますか。保育士として なにか対応されていたことはあるでしょうか。
子どもに相当なストレスがかかっている可能性があるのでしょうか。
また、もし、仮にごんちゃんがうちの息子の母親であれば、このような癖に対してどのように接しますか。どのように考えるでしょうか。
なにかアドバイスを頂けないでしょうか。
重くなりすみません。どんな意見でも構いませんのでよろしくお願いいたします。

今回はこちらのご相談にお答えしながらお話をしていきます。

▼爪噛みは子どもの癖でよく見られる

今回は、6歳のお子さんの爪噛みについてのご相談です。まずご相談者さんからいただいている「爪かみをする子を見たことがありますか?」とのご質問にお答えすると、多々あります!

そして実は、私の3歳の娘も爪噛みをしています。ピークにしていたのは2歳半ごろからの半年くらいで、3歳5ヶ月の今でも、減っては来ましたがたまにしています。ご相談者さんは「この2ヶ月爪を切っていません」とのことですが、私はもっと長い期間切っていません。

私の子育て体験談からも、保育士としての経験からも、子どもの爪噛み行動はよくあるものだと感じています。

▼子どもの爪噛みの原因

子どもの爪噛みの原因としてよく見聞きするのは「愛情不足」「ストレス」などがあります。しかし本当にそうでしょうか・・・?

日々子育てに一生懸命で、子どものことを大切に思って関わってきた親の子どもでも、爪噛みは見られるのです。私自身も爪噛みをしている子どもの親ですが、子どものことは大好きで大切で、できる限りのことをしているつもりなので「愛情不足」だとは思いません。

「爪噛みは愛情不足だから、子どもに対してもっとこうしなければ!」と思ってしまうと、日々の育児が楽しめなくなりますし、それでイライラしてしまっては逆効果です。

実際にご相談者さんもおたよりの中で、「こんなに愛情注いでるのに私の接し方が悪いんだろうか と私自身が自分を責めてしまうことも増え、今月に入ってから噛んでいることを 注意することが増えてきてしまいました。」とおっしゃっています。

しかし「愛情を注いでいる」という気持ちがあればそれは間違いなく愛情を注いでいます。ですから、接し方が悪いと思わずにお母さんはそのままで良いのです。

おたよりの文面から、普段穏やかにお子さんのことを思いながら育児をされているのではないかと感じました。

そんなお母さんでも人間ですので、イライラしてしまうことはありますよね。つい口調が強くなることもあると思います。

子どもが安心して過ごせる家庭にするためにも、親が自分が笑顔でいられる範囲でできる限りのことをしていけばいいと思います。

▼子どもの爪噛みを減らすためのアプローチ

実は私も、娘が3歳児健診の際、爪噛みをしていることを市の子育て支援の職員さん(保健師さん、助産師さん)に相談したことがありました。

その時の回答としては、そのまま「噛ませていてもいいと思うけどね」と言われました。いずれ自然とやめるときがくるから、無理矢理やめさせようとしなくても良いとのお考えを共有していただき、私も強く辞めさせることはしませんでした。

ただ、もしご相談者さんのように「生理的に不快」であったり、「人の目が気になって辞めさせたい」と辞めさたい理由があるのなら、辞められるようなサポートをしてもいいと思います。

ご相談者さんは「子どもに相当なストレスがかかっている可能性があるのでしょうか。」とおっしゃっていますが、ストレスがかかっているからするというより、なんとなく手持ち無沙汰でやり始めたことが癖になっているということだと考えています。

そのため、癖づいていることを辞めさせるのは少し時間がかかることは頭に入れておきたいですね。

癖を取っていくアプローチについて、私自身も娘に対していろいろと試して変わったことがあるので、体験談を共有させていただきます。

爪噛みを注意するのではなく他に意識を向けさせる

心理学の分野では、人間は「◯◯してはいけない」と言われると、逆にその◯◯について考えてしまう性質があると言われています。

私たちが嫌な記憶を度々思い出してしまったり、禁止されると余計に気になってしまうのは、このような性質によるものです。

子どもについても同じで、何度も何度も注意しても同じことを繰り返すのは、逆に意識を強めてしまっている可能性があります。

そのため、爪噛みについてもその行動自体を注意するのではなく、他のことに意識を向けさせることが大切です。

ご相談者さんはすでに「疲れがたまっているのかな と無理させないようにし、噛んでいても注意せず 見守るようにしたり、そっと気をそらしたりしてきた」とおっしゃっていますので、素晴らしい関わりをされてきています。

爪噛みが見られたら、ブロックや積み木、お絵描き、ハサミを使うなどの手先を使う遊びを提案したり、爪を噛む代わりにしてもいい行動を教えるのがおすすめです。

私が娘に実際やっていたこととして、爪を噛みたくなったら遊ぶ手遊びのようなものを教えていました。「グーパーグーパーしてみようか」など、子ども一人でも再現できる簡単なもので、爪を噛む代わりになりそうなことを提案すると、たまに娘も自分で気づいて爪噛みじゃなくそちらの行動を取ることがありました。

爪に対策をする

爪を物理的に噛めなくすることがひとつの方法です。爪を噛む癖は、大人になっても見られる人がいて、咬爪症(こうそうしょう)や咬爪癖(こうそうへき)と言いますが、そのような人が行っている対策が爪を噛めなくする措置です。

具体的には、人工爪をつける方法などがあります。ジェルネイルやスカルプチュアによる人工爪をつけることで、爪を噛みそうになることを抑制するものです。

これにならって、娘の爪に子ども用のマニキュアを塗ったり、キャラクターがついた絆創膏を貼ったりして爪を大事にして噛まないことを教えながら対策をした時期がありました。

そうすると、うまくいったりいかなかったりを繰り返しながら段々と頻度が減って来たように思います。

口に対策をする

爪ではなく、噛んでしまう口側に対策するという方法もあります。

子どもがTVを見ている時に噛みそうになるのであれば、その時はペロペロキャンディーや食べるのに長く時間がかかるおしゃぶり昆布のようなものを与えていました。

大人の咬爪症の対策としても、ガムを噛むことが有効だと言われていますので、それを子どもでも食べられるもので長く時間をかけて口に入れられるものに置き換えていました。

食べ物やおやつの与え方には、ご家庭それぞれの方針があると思いますので、方針に合いそうであれば試してみてほしいと思います。

<その他SNSでも子育てに関する情報発信をしています>
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今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。また次回の記事でお会いしましょう!

保育士/チャイルドカウンセラー

国立大学で子どもの自立支援について研究中の子育て支援保育士。九州大学教育学部卒。2019年2月に女の子、2021年11月、2023年10月に男の子を出産した3児の母。HSP(Highly Sensitive Person)の気質を持ち、人生で2度のうつ病を経験。現在はがんばりすぎるのをやめて「無理せず自分らしく」がモットー。育児のお役立ち情報やライフハック、子どもと楽しく過ごすための遊び心などを発信。

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