自己最多のホームランを打った選手と自己最多の盗塁を記録した選手をマイナーリーグ契約で迎え入れる
2月24日、シンシナティ・レッズは、マイク・フォードとトニー・ケンプの2人とマイナーリーグ契約を交わしたことを発表した。どちらも、ノン・ロースター・インバイティ(キャンプ招待選手)として、スプリング・トレーニングに参加する。
昨年、フォードは、シアトル・マリナーズで16本のホームランを打った。ケンプは、オークランド・アスレティックスで15盗塁。いずれも、自己最多を更新した。今年のシーズン年齢(6月30日時点)は、それぞれ、31歳と32歳だ。
数としてはそう多くないが、フォードは、83試合の219打数で16本塁打を記録した。13.7打数/本は、なかなかのペースだ。例えば、ともに39本塁打のアドリス・ガルシア(テキサス・レンジャーズ)とムーキー・ベッツ(ロサンゼルス・ドジャース)は、14.2打数/本と15.0打数/本。41本塁打のロナルド・アクーニャJr.(アトランタ・ブレーブス)は、15.7打数/本だった。
メジャーデビューした2019年に、フォードは、50試合の143打数で12本のホームランを打った。こちらは、11.9打数/本だ。けれども、その後の3シーズンは、計101試合の265打数で8本塁打。そのペースは、33.1打数/本に過ぎなかった。
昨年のパワー発揮は、遅咲きという可能性もある。6月にメジャーリーグへ昇格する前には、AAAで49試合に出場し、172打数で13本塁打(13.2打数/本)を記録した。
一方、ケンプは、124試合で15盗塁だ。2016~21年の盗塁は、どのシーズンも二桁に届かず、計463試合で27盗塁ながら、2022年は147試合で11盗塁を決めている。ケンプのセールス・ポイントは、二塁と外野を守る汎用性だろう。わずかとはいえ、遊撃の経験もある。フォードのポジションは、一塁に限られる。
また、ケンプの出塁率は、過去2シーズンとも.310に届いていないが、2021年は.382を記録している。このシーズンは、131試合に出場した。
MLB.comのマーク・シェルドンによると、メジャーリーグ昇格の年俸は、フォードが130万ドル、ケンプは175万ドルで、どちらも、パフォーマンス・ボーナス(出来高)がついているという。
もっとも、フォードもケンプも、開幕ロースター入りの道は険しい。レッズには、野手がひしめいている。マイナーリーグで開幕を迎え、昇格の機会が巡ってくるのを待つことになりそうだ。解雇あるいは自らの退団により、他球団で昇格をめざすこともあり得る。