【今年こそ痩せる!ランニングを続ける!】医師が、駅伝を観て感動して走り始めたランナーに伝えたいこと。
年始の駅伝を観戦して、今年こそ自分も走ろうと思った人も少なくないと思います。ですが残念なことに、新年の決意は儚いとされています。
たとえば海外では、1月17日は「Ditch New Year's Resolution Day」として、早くも新年の抱負を諦める人が増えてくる日として知られています。またフィットネスアプリのStravaの調べによると、1月19日が最も多くの人が諦めてしまったという結果でした。3週間と持たない可能性が高い新年の決意は、どうしたら継続できるのでしょうか。
継続できる目標と、中断しやすい目標
1.何かを我慢する目標より、何かをする目標
スウェーデンの1066人を調べた研究では、行動型の目標(する目標)を立てた参加者の成功率は58.9%であったのに対し、回避型の目標(しない目標)をたてた参加者の成功率は47.1%でした。つまりは「ランニングをする」とか「野菜を毎日食べる」という目標の方が、「お酒を飲まない」とか「甘いものを食べない」という目標よりも達成しやすいのです。
つまりはランニングを始めようという行動型の目標は、新年の抱負にあっているわけです。新年にいくつか決意や抱負を立てることもあるかと思いますが、行動型の目標に絞ることも必要かもしれません。
2.抽象的なとりあえずの目標より、具体的な目標
「健康のために、とりあえず走ろう」というより、「4月の大会で10kmを完走する」という具体的な目標の方が成功率が上がるものです。
そして実際のランニングでも、「とりあえず疲れるまで走る」というよりも「5km走る」「10分走る」とゴールを設定した方が、しっかりと走れるものです。
まとめると、ランニングの目標を継続するためには小さくて具体的な短期的目標(例えば火曜日と金曜日の出勤前に5kmを走る)と、大きくて挑戦的な長期目標(例えば5月にハーフマラソンに出場して完走する)を立てるとよいとされています。
3. 普段の環境より、普段とは違う環境
一人で走り始めたら、新年の抱負が潰えやすい1月下旬までに、ランニング環境を変えてみましょう。具体的には家族・友人を誘って一緒に運動をしたり、スポーツジムやランニングクラブに参加してみることです。新年の抱負を2年にわたり継続した人も、その間に平均すると14回の中断する危険を経験したとの報告もあります。それだけのハードルがあるので、アメリカのフォーブス・ヘルスの調査では、新年の決意を1年以上維持できたのは6%とかなり低かったのです。
そうならないように、その障壁をともに乗り越える同志を見つけるわけです。
走るという新年の抱負は、精神的にも継続にも向いている?
ランニングは一人でも気軽に始められるスポーツです。ですが始めても継続できるかというと、なかなか難しいようです。
ですがこの時期、駅伝をみて「自分から走りたい」と思ってランニングを始めるのはとても大事なことです。というのは2023年のオーストラリアの研究で、ランニングによる精神的健康と運動の継続性について、内因的動機が大事との結果でした。つまり「検診で痩せろと言われて走り始めた」「家族に運動でもしたら?と言われて走り始めた」というより、駅伝を走ってガッツポーズをするランナーを観て高揚して、上手く走れずに顔に手を当てて打ち震えるランナーを観て涙して「自分から走りたい」と思った動機はとても大事ということなんです。
その抱負を継続するために、週2回5km走る、春の大会を申し込む、そんな具体的な目標を立てて、こっそりと始めるのではなく周囲の人や団体に所属して走る。そんな行動が必要です。1月中旬は、新年の抱負が潰えやすい時期です。是非今年は、ランニングを継続して精神的、そして身体的健康を叶えて下さい。