なぜレアルはデイビースを狙っているのか?エムバペの移籍…漂う大型補強の予感。
大物選手が、スペインに到着するかもしれない。
現在、周囲を賑わせているのがアルフォンソ・デイビースの去就だ。デイビースとバイエルン・ミュンヘンの契約は2025年夏まで。だが現時点で契約延長は行われていない。
そこに割り込もうとしているクラブがある。レアル・マドリーだ。
■バイエルンの現状
バイエルンは今季限りでトーマス・トゥヘル監督が退任する。しかし、その後任は決まっていない。
またバイエルンは昨夏、オリバー・カーンCEO、ハサン・サリハミジッチSD(スポーツディレクター)がクラブを去っている。その後、ヤン・クリスティアン・ドレーゼン、クリストフ・フロイント、マックス・エバールがそのポストに就いたが、この一年、混沌とした日々を過ごしているのは確かだろう。
「我々は一年前にバイエルンとの契約延長に近づいていた。そのタイミングで、フロント内で人事の動きがあった。その後、何も知らされていない」とはニック・フーシュ代理人の弁だ。
「いま、デイビースを攻撃するのはフェアではない。この7ヶ月の間、私はバイエルンとの話し合いを試みた。デイビースにとって、キャリアにおいて非常に重要な契約になる。次の監督、今後のチームがどうなるかわからず、決断を下さなければいけないなんて! それはアンフェアというものだ」
■マドリーの姿勢とクロースのケース
一方、マドリーは平静を保っている。
デイビースの契約は、残すところ、一年になる。バイエルン側としては、この夏に売却するか、その次の夏にフリートランスファーでの移籍を受け入れるしかない。つまり“買い手”に有利な交渉が予想される。
マドリーは移籍金2500万ユーロ(約41億円)から3000万ユーロ(約48億円)でのデイビース獲得を望んでいる。対してバイエルン側は移籍金5000万ユーロ(約81億円)を要求する構えだ。ただ、デイビースには移籍の意思があり、これもまたマドリーが状況を楽観視している要因のひとつである。
マドリーは以前、似たようなシチュエーションで、バイエルンから選手を獲得している。2014年夏のトニ・クロースのケースだ。
マドリーは移籍金2500万ユーロでクロースを獲得した。当時、クロースとバイエルンの契約は残り一年になっていた。マドリー加入後、21個のタイトルを獲得したクロースの件を顧みて、フロレンティーノ・ペレス会長はデイビースのオペレーションをまとめようとしている。
■左サイドバックの起用法
他方でマドリーは、フラン・ガルシア、フェルラン・メンディという2人の左サイドバックを揃えている。
F・ガルシアは今季開幕前に、マドリーに加入した。マドリーのカンテラで育ち、ラージョ・バジェカーノでブレイクを果たして、トップチームに返り咲いた。彼は2027年夏までマドリーとの契約を残している。
メンディは2019年夏にリヨンからマドリーに移籍した。ジネディーヌ・ジダン当時監督の要望だった。マルセロとのポジション争いを制して、マドリーで不動の左サイドバックになった。だがマドリーとの契約は2025年夏までとなっており、現時点で契約延長にサインはしていない。
マドリーのデイビース獲得は時間の問題だとされている。その場合、F・ガルシアあるいはメンディ、いずれかは移籍に傾くことが濃厚だ。
マドリーは今夏、エンドリックの正式加入が既に決まっている。
また、マドリーはキリアン・エムバペの獲得に迫っている。今季終了時に契約満了を迎えるエムバペに、年俸1400万ユーロ(約22億円)を用意。フリートランスファーでスター選手を迎え入れる手筈を整えている。
エムバペ、デイビース、エンドリック…。実現すれば、マドリーにとって久々の大型補強になるだろう。
マドリーは2024年に新たなサンティアゴ・ベルナベウを披露するべく動いてきた。そこに合わせるように、新・銀河系軍団が形成されようとしている。