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伊丹市のイベントで阪神の優勝と自身の活躍を誓った緒方選手、西田選手、北條選手《12/19》

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
イベント最後に参加者の皆さんと記念撮影。(右から)緒方選手、西田選手、北條選手。

緒方選手、西田選手、北條選手の3人はきのう19日の午後、兵庫県伊丹市昆陽池のスワンホールで『平成27年度 手をつなぐ市民のつどい 阪神タイガース選手との交流会』に出席しました。毎年この時期に伊丹心身障害対策市民懇談会の主催、伊丹市の共催で行われているもので、西田選手と北條選手は2年前にも参加しています。

会場を通って舞台に上がり、まず挨拶をする(左から)緒方選手、西田選手、北條選手。
会場を通って舞台に上がり、まず挨拶をする(左から)緒方選手、西田選手、北條選手。
舞台上に置かれたモニター。金本監督についての質問の時はこんな感じです。
舞台上に置かれたモニター。金本監督についての質問の時はこんな感じです。

きのうは日差しのわりに風が強くて寒い一日だったのですが、会場となった3階の多目的ホールには約300人のお客様が詰めかけて熱気ムンムン!汗が出るほどでした。皆さんは球団からプレゼントされた黄色いナンバージャージ着用で、登場した3選手を拍手や掛け声で歓迎。選手も圧倒されていた感じですね。

挨拶に続き、早速イベント開始。まずジャンケン大会があり、次はトークショーです。といっても3人で語るのではなく、司会者や会場のお客様の質問に答えていくもの。司会の方がなかなか詳しくて、楽しませていただきました。それと舞台には手話通訳の方がおられ、さらに上手の大きなモニターで選手や司会者、お客様がしゃべった言葉がそのまま活字で出ます。音声認識かと思いきや、パソコンで“同時入力”されていたんです。これには我々も助けていただきました。

質問に答える正直な3人

では質疑応答の内容をご紹介しましょう。司会の方は「選手の言ったことは秘密に」とおっしゃっていたんですけど(笑)書いちゃいます。なお写真は最後にあった記念撮影での4枚。この催しの主旨である“手つなぎ”を実践、みんなで手をつないで撮りました。冒頭の写真はナイスな笑顔の3選手ですが、選手同士でつなぐのは恥ずかしかったみたいで、途中に微妙な表情も。

金本監督の印象は?

◆北條「優しいかたです」

◆西田「カッコイイです」

◆緒方「鉄人です」

好きな食べ物は?

◆緒方「いま寒いので、鍋物が好きです」

◆西田「焼肉です」

◆北條「お菓子です」(ドッと笑いが)

ここからはお客様の質問です。

甲子園は何度経験しましたか?(高校野球)

◆北條「5回中、4回出ました」(おお~という声)

◆西田「僕は5回中、1回です」

◆緒方「(笑)僕は…5回中、一度も出ていません」

選手同士も手をつないでください、と言われて苦笑い。
選手同士も手をつないでください、と言われて苦笑い。
しぶしぶ手をつないで、仕方なく…
しぶしぶ手をつないで、仕方なく…
観念して?ガッチリと握った手を挙げてポーズ。
観念して?ガッチリと握った手を挙げてポーズ。
終了と言われて、この笑顔。離した手のひらをユニホームでごしごし拭いていました!
終了と言われて、この笑顔。離した手のひらをユニホームでごしごし拭いていました!

来年は優勝できますか?

◆緒方「約束はできませんが、優勝できるように頑張ります」(拍手)

◆西田「優勝…できます!」(拍手喝采)

◆北條「約束します。優勝します!」(歓声)

三者三様の答えでしたね。と思ったら次の問いにはこんな感じで。

トリプルスリー狙いますか?

◆北條「僕は足が遅いんで無理です」(笑)

◆西田「僕も足が遅いんで無理です」(笑)

◆緒方「3割、3本、30盗塁やったら」(笑)

みんな正直だと司会者に言われていました。

新外国人選手と仲良くできますか?

「英語は得意ですか?」と聞かれ、北條選手が「はい」と答えています。

◆北條「ヘイ、メン!って。そしたら返ってくるんで、あとはジャスチャーで」。(英語が得意と言いながらジャスチャー?という笑いが会場に)

◆西田「みんな日本語うまいんで、僕はわかる英語をしゃべるだけです。日本語で返してくれるから大丈夫です」

◆緒方「西田と同じで、結構向こうから日本語で話してくれるんで僕も日本語で話します」

藤浪投手と対戦した感想を教えて

◆北條「春は打てたんですけど、夏はすごくコントロールもあって変化球のキレもよくて、もう手も足も出なかった感じで。すごかったです」

(西田選手には大阪桐蔭の先輩として藤浪投手のことを質問)

◆西田「今は藤浪の方が先輩みたいになっていますけど」と答えて場内は爆笑でした。「藤浪に限らず先輩がほとんど活躍しているし、僕も桐蔭のプライドがあるので結果を出したいと思います。藤浪は高校時代からすごかった」

(同じ高校といえば、緒方選手はPLの先輩に前田健太投手がいますね)

◆緒方「2歳上です。野球も人間的にも神様のような人でした。素晴らしい選手です」

ケーキは何が好きですか?

◆緒方「僕はティラミスが好きです」

◆西田「僕はケーキよりシュークリームの方が好きです」

◆北條「甘いものはあまり好きではないんで」と答えて、司会者から「さっきお菓子が好きと言ってたのに」と突っ込まれ苦笑い。「甘いお菓子は、チョコとかもあまり好きじゃないので、食べるとしたら…ショートケーキくらいですかね」。ちなみに好きなお菓子は甘くない「塩辛い系」だそうです。

ホームラン打った時の気持ちは?

ホームランとわかった瞬間に北條選手自身が取るポーズ。腕を上げる寸前でした。
ホームランとわかった瞬間に北條選手自身が取るポーズ。腕を上げる寸前でした。

◆緒方「正直あまり打つことがないので、喜びよりも先に驚きが。ビックリするかんじです」(笑)

◆西田「僕は全然打たないんで、打った時は嬉しすぎてニヤニヤしながら一周します」と言いながら自分で笑っていました。

◆北條「打って、入るかどうかのところで、入った瞬間に“オッシャー!”って、こんな感じです」と椅子から立ち上がり、右手でガッツポーズ。

以上で質問タイムは終了。ホームランの質問は藤浪投手の話の前にあったものですが、写真の関係で最後にさせて頂きました。ご了承ください。このあとはトラッキーゲームと題した抽選会が行われ、続いて来シーズンへ向けた抱負を聞かれています。

◆緒方「来年は金本政権が始まるので、皆さんの期待されている優勝ができるように頑張ります!」

◆西田「来年、チームが大きく変わるので自分も大きく変わって、1軍で絶対に結果を出します。見ていてください!」

◆北條「来年は絶対に優勝するので、僕もその中に入れるよう頑張ります!」

会場の皆さんとの記念撮影があり、記念品贈呈とお礼の言葉、最後は六甲おろしに乗せジェット風船を飛ばして選手を見送る、という段取りなのですが、選手が舞台から降りるや否や写真撮影&サイン会となりました。どうやら毎年こういう展開だそうです。それぞれ選手の周りにできた輪を見ると、緒方選手のところは女性がほとんど。逆に西田選手を囲むのは男性か子どもたち。不思議ですねえ。北條選手は均等な印象でした。

イベント終了後、控室で3選手にオフの予定などを聞いています。

ツバメ軍団から学ぶ自主トレ

北條選手は、年明けの自主トレを愛媛県松山市の坊っちゃんスタジアムでするそうで「1月9日に行って、10日から17日までやります」とのこと。もとヤクルトの宮本慎也さんや、古くは池山隆寛さんなどが現役時代に自主トレをしていた場所で、今もヤクルトのメンバーが使っています。その山田選手や川端選手、一番年上が飯原選手という合同自主トレに初参加させてもらうことになりました。

ジャンケン大会でチョキを出した北條選手。
ジャンケン大会でチョキを出した北條選手。

「高校の先輩の川上さん(ヤクルト4年目)と連絡を取っていて、誰と自主トレするかという話になった。川端さんはボーイズ(オール狭山)の先輩だったので頼みました。連絡先を教えてもらって」というきっかけだったようです。何を吸収してきますか?「一番は体作りです。それと優勝しているので、優勝したチームの選手がどういう姿勢で取り組んでいるのかも知りたい。僕は優勝の経験がないから。野球に関すること、技術もそうですけど、見て学びたいなと思います」

ところで、このイベント中に同期の藤浪投手が契約更改を終えたという情報が入ってきました。倍増の推定1億7000万円だと聞いた北條選手は、まず「いいなあ」と言って笑います。「それは1年目からわかっていることなんで、全然気にしていません。初めからすごい金額だったし」とのこと。

来年に向けてアピールするのは「僕みたいなタイプは走攻守のどれかが、ずば抜けている感じじゃないので総合面。例えば試合の中で何かやってくれるというような雰囲気を出していきたい。勝負強さや、アウトになっても右方向に打ってほしい時に打てるとか。そういうことがないと試合に出られないから、それを心がけていきたいです」と話しました。

なお北條選手は既に青森へ行き、例年通り母校で挨拶と練習もしてきたとか。今回のイベントや、出席する披露宴に合わせて戻ってきたみたいですね。年内は施設が使えるまで鳴尾浜やジムでトレーニングし、年明けは寮が開いたら戻ってくる予定だそうです。

「結果を出すことしか頭にない」

西田選手は「大きくなった?」と聞かれて「体重、増えました。3キロくらいですかね。今83キロです。プロテインを飲むようにしました。前は飲んだり飲まなかったりだったけど、2種類。トレーニングのあとと寝る前にも飲んで、しっかりごはん食べて、トレーニングもランニングもできています」と納得の表情でした。年明けの自主トレは「淡路島で、狩野さんや清水さんと一緒に1月10日くらいから」やるそうです。

西田選手のジャンケンはグーでした。
西田選手のジャンケンはグーでした。

今は先輩みたいになっていると言っていた後輩の藤浪投手、1億7000万円(推定)で更改したそうですよ。「僕も稼がないといけないし。倍、倍で毎年いけるようにしたい」。そのためには試合に出てアピールしないといけませんね。全部出るくらいの勢いで。「目標はありますけど現実的に考えて全試合は無理だから、やっぱり30試合とかで。一日でも長く1軍のベンチにいたいです。2年間入っていないので」

目標は?「キャンプからアピールして、開幕から1軍に入るチャンスはことしもあるはず。まだ1軍で1本もヒットを打ってませんし、1本打てたら気持ちが楽になるだろうと思います。近いところでいえば、中谷さんがことし(1軍で)1本打って、長いこと1軍にいたでしょう。去年はファームで2割いってなかったのに、ことしは3割近く打ってるし」。そうですね。中谷選手は昨秋に誓った通り、ことし大きく変わりました。

「結果でいろんな人を振り向かせないといけない。僕の立場では結果を出さないと。ことし色々考えてやったけど、結果が出なくて自己満足とか言われたけど…」。そんなこと言ったのは誰ですか?ほんとに。「でも、そこは自分でやると決めたこと。最後までやり切ってよかったと思っています」。そう、結果がついてくるのはこれからでしょう。「結果を出せば、こっちも言える。結果を出すことしか頭にないです。プロなのでそれを一番に考えていきたい」

初めて過ごす“普通の”オフ

こういうイベントに参加した経験は?と尋ねたら緒方選手は「初めてですね。まともなオフが初めてなので」と言います。確かに。1年目は台湾のウインターリーグに行っていたし、昨年は9月に右膝を手術してリハビリ組でしたからね。その、まともな初オフはどう過ごしますか?「1年目はこの時期にまだ試合をしていて強化指定でもあったので、チームで決めてもらったメニューだった。自分でキャンプまでやることができるので、しっかりやりたい」

緒方選手もグーで続きます。
緒方選手もグーで続きます。

年明けは、福留選手のハワイ自主トレに参加するそうです。「1月6日に行く予定。走ることがメインで打つことはしないみたいで。そのままキャンプインするのは不安なので、福留さんは20日くらいまでだと思いますが僕は15日頃に帰ってきます。僕にとっては2月1日が大事ですし。帰ってきて鳴尾浜でできることをやってからキャンプへ行きたい。年末は鳴尾浜とジム、あとグラウンドが使えればPLにも」と言っていました。

「福留さんの自主トレで一緒にハワイへ連れていっていただくので、それまでの期間はしっかり準備します。『連れていかなかったらよかった』と言われないように。まずは福留さんに、しっかりやってきたなと言われるように今やっています。実戦的なことより基本。体作り一番で下半身をしっかり作って。チームのテーマが体を大きく、強い体をということなので、土台作りのためトレーニング系がメインです」

藤浪投手の年俸については?「どうですかと聞かれても、すごいとしか言いようがない(笑)。年下だけど同期に、“やれば上がる”という良いお手本がいるわけで、まあすごい差はついていますが、他の若手に(自分も)やれば上がるってのを見せたいですね」。来年は緒方選手も倍増で!「はい、まずチームの戦力になれるよう頑張ります。まだ僕が倍増したところで大したことないですけど」。これから倍、倍、倍といきましょう。3選手とも。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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