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パリ五輪サッカー日本代表は久保の不参加、OA枠不使用、松木の落選が話題も、驚きはない#専門家のまとめ

小宮良之スポーツライター・小説家
左が松木玖生(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

パリ五輪サッカー日本代表の18人のメンバー選考を巡って、様々な報道が飛び交っています。大きく分けると3点。

一つは、久保建英や鈴木唯人など欧州で活躍しているパリ五輪世代の選手を招集できなかったこと。

もう一つは、オーバーエイジ枠(OA枠)という23歳以上の選手3人を一人も選ばなかったこと。

そして、予選を通じて主力だった松木玖生をなぜ選ばなかったのか。

しかし、どれも驚きではないでしょう。

ココがポイント

▼大岩剛監督がパリ五輪サッカー日本代表の18人を発表しました。久保建英は選出できず、オーバーエイジ枠もなし、が物議を醸すことに

・大岩ジャパン、パリ五輪代表メンバー18人発表 4大会ぶりOAなし…松木玖生ら落選(FOOTBALL ZONE)

▼山本昌邦ナショナルチームダイレクターが、松木の落選を「移籍の可能性」と説明

【U23日本代表】松木玖生が落選「移籍の可能性がある」山本ND「確約取れず」東京は荒木選出(日刊スポーツ)

▼松木自身は、選考に関してはコメントしていません。

松木玖生、“移籍発言”に「言うことはない」 まさかの五輪選外から一夜「切り替えます」(FOOTBALL ZONE)

https://news.yahoo.co.jp/pickup/6506480

▼識者のパリ五輪18人予想。筆者は久保の招集が当初から不可能で、OA枠を推奨せず、松木が選ばれないことも予想していました。

パリの舞台に立つサッカー五輪代表18人は誰になる? 識者3人が考えたOA枠、海外組の選考 (web sportiva)

エキスパートの補足・見解

どれも予想できたことでした。メディアやファンは久保の招集を期待していたようですが、五輪代表に拘束権はないので、欧州のクラブに派遣要請が通るはずもなかったのです(アジアカップで招集したこともあったかもしれません)。

OA枠も同じ理由で、例えば遠藤航をクラブが貸し出すなどあり得ず。Jリーグのベテランから選ぶなら、予選で本大会出場を勝ち取った若手が行くのが筋でしょう。

その点、予選の主力だった松木の落選はショックだったかもしれません。実際、「移籍の可能性」という言葉を、所属するFC東京は受け入れておらず、1クラブ2選手という制限があったわけでもないようで(しかも、もう一人は控えGK)、理由は錯綜しています。

ただ、あえて言えば複合的なものでしょうか。実際、筆者は松木は戦力として落選を予想していました。理由はやや長い説明が必要なので割愛しますが、他の選手よりも技術、戦術の面で上回っていたわけではなく…。

さまざまな「必然」が騒動になってしまった印象です。

スポーツライター・小説家

1972年、横浜生まれ。大学卒業後にスペインのバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。競技者と心を通わすインタビューに定評がある。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)『アンチ・ドロップアウト』(集英社)。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。他にTBS『情熱大陸』テレビ東京『フットブレイン』TOKYO FM『Athelete Beat』『クロノス』NHK『スポーツ大陸』『サンデースポーツ』で特集企画、出演。「JFA100周年感謝表彰」を受賞。

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