【台風26号】史上最強クラスの勢力でサイパン最接近へ
「世界一穏やかな天候を持つ島」としてギネスブックにも登録されているサイパンに、猛烈な台風26号が迫っています。現地時間25日(木)未明にも、猛烈な勢力を保ったまま最接近する見込みです。この規模での台風接近は、これまでに一度しか例がありません。
台風26号の現況
日本時間24日18時時点の26号(国際名: イートゥー)の中心気圧は905hPa、最大風速60メートルで、今年7つ目の「猛烈(台風の階級では最も強い)」な勢力に発達しています。1年で7つの猛烈な台風が発生した年は、統計開始以来、一度もありません。
また米軍合同台風警報センター(JTWC)の基準では「スーパー台風」の階級に達していて、こちらも今年7つ目のスーパー台風となりました。
26号の接近に伴い、サイパンやグアムなどでは風雨が強まっています。
サイパン最接近へ
26号は「猛烈」な勢力を維持しながら、現地時間25日(木)未明にもサイパンなど北マリアナ諸島に最接近する見込みです。アメリカ気象局は「台風警報」を発令し、厳重な警戒を呼び掛けています。予想される雨量は380ミリ、波の高さは12メートルです。
史上最強クラスの接近ハリケーンに
マリアナ諸島はしばしば台風の直撃を受けますが、台風が生まれる海域に近いために、猛烈な勢力で台風が影響することはほとんどありません。しかし26号は、中心気圧905hPaという非常に強力な勢力でサイパン周辺に接近、または直撃する可能性が高まっています。
1945年以降の記録では、905hPa以下の勢力でサイパン付近に接近した台風は1997年の24号(国際名: ジョアン)しかありません。ジョアンの中心はサイパンの北の海域を通過しましたが、この時サイパンでは強風により島全体が停電になりました。
なお、これまでにサイパンを直撃した最強台風は1968年の台風1号(国際名: ジーン)で、島通過時の中心気圧は935hPaでした。
26号の今後の進路
さて、26号はマリアナ諸島を通過したのち、どこへ向かうのでしょうか。
多くの予想モデルは、週末にかけてこのまま西進を続けフィリピン方向に向かうと予測しています。しかしそのあとは大きなばらつきがあって、あるモデルはフィリピン付近で180度向きを変え東進し急速に弱まると予測し、別のモデルはそのまま西進して中国南部に進むとしています。
気象庁発表の最新の予想進路はこちらをご覧ください。