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6登板続けて「先発6イニング以上&無失点」は最長タイ。ドジャース以外の投手では初

宇根夏樹ベースボール・ライター
ザック・ギャレン(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)Sep 4, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 9月4日、先発マウンドに上がったザック・ギャレン(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)は、7イニングを投げ、スコアボードに「0」を7つ並べた。その前の5登板も、ギャレンはそれぞれ6イニング以上を投げ、得点をまったく許していない。

 ESPNスタッツ&インフォによると、6登板連続の先発6イニング以上&無失点は、自責点が公式記録となった1913年以降の最長記録だという。1968年のドン・ドライスデール、1988年のオレル・ハーシュハイザー、2015年のザック・グレインキー(当時ロサンゼルス・ドジャース/現カンザスシティ・ロイヤルズ)と並ぶ。

 グレインキーだけでなく、ハーシュハイザーも、ドジャースでこのストリークを記録した。ドライスデールは、ドジャース一筋に投げた。従って、ドジャース以外の投手では、ギャレンが初(1913年以降)ということになる。

 ちなみに、グレインキーとギャレンのイニシャルは、どちらもZGだ。2019年にダイヤモンドバックスで投げたことも、共通する。ただ、チームメイトにはなっていない。7月31日に成立した別のトレードで、グレインキーはダイヤモンドバックスを去り、ギャレンはダイヤモンドバックスに加わった。

 ギャレンは、メジャーリーグ4年目の27歳だ。2016年のドラフトで、セントルイス・カーディナルスから3巡目・全体102位指名を受けて入団。翌年のオフにマイアミ・マーリンズへ移り、メジャーデビューした2019年の夏にダイヤモンドバックスへ移籍した。

 昨シーズンは121.1イニングで防御率4.30ながら、今シーズンは152.2イニングで防御率2.42を記録している。ただ、突然の開花ではない。2019年は80.0イニングで防御率2.81、2020年は72.0イニングで防御率2.75だった。基本は4球種。投球の半分前後を占める4シームに、カーブ、チェンジアップ、カッターを織り交ぜる。

 また、ギャレンは、この6登板で計41.1イニングを投げている。ストリーク直前の登板は、最後のイニングに点を取られているので、41.1イニング連続無失点だ。こちらのストリークは、イライアス・スポーツ・ビューローによると、1920年以降の「ライブ・ボール・エラ」では、ナ・リーグとア・リーグで8番目に長い。ハーシュハイザー(1988年)の59イニング、ドライスデール(1968年)の58イニング、ボブ・ギブソン(1968年)の47イニング、グレインキー(2015年)の45.2イニング、カール・ハッベル(1933年)の45.1イニング、サル・マグリー(1950年)の45イニング、ブランドン・ウェブ(2007年)の42イニングに次ぐ。7番目のウェブは、メジャーリーグのキャリアを通し、ダイヤモンドバックスで投げた。

 ギャレンの次の登板は、ダイヤモンドバックスがコロラド・ロッキーズと対戦する、9月9日~11日のいずれかになりそうだ。11日の可能性が高い。打者天国のクアーズ・フィールドで行われるので、ストリークを継続する条件としては厳しいが、直近6登板の2登板目は、クアーズ・フィールドで7イニングを投げ、3人しか出塁させず、二塁すら踏ませなかった。

 なお、無失点の連続イニングをどう数えるかについては、こちらで書いた。

「今さらかもしれないけれど連続無失点イニングの数え方。それと、よく似ているものの微妙に異なるストリーク」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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