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早指しも強い藤井聡太竜王、銀河戦ベスト8進出! 相穴熊で中村修九段に快勝

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 11月29日。第30期銀河戦決勝トーナメント1回戦▲中村修九段ー△藤井聡太竜王戦が放映されました。棋譜は公式ページでも公開されています。

 居飛車、振飛車、いずれも指しこなす中村九段。先手となった本局では三間飛車の作戦を採用しています。早めに3筋の歩を突き、相手の穴熊をけん制する現代調の立ち上がりを経て、互いに穴熊に組み合う「相穴熊」の将棋になりました。

 中村九段は相手の銀を呼び込んで受けに回るという作戦。対して、じっとしていては銀を取られてしまう藤井竜王が攻めに出て、戦いが始まりました。

 中村九段は自陣の穴熊が薄くなるのを承知で、桂を跳ねて銀を取りにいきます。対して藤井竜王は8筋から飛車を成り込んで、優位に立ちました。

 藤井竜王は終盤もゆるまず、受けが得意な中村九段に粘る余地を与えません。的確な攻めで圧倒し、最後は中村陣が防戦困難に。84手で藤井竜王の勝ちとなりました。

 快勝で1回戦を突破した藤井竜王はベスト8進出。2回戦では永瀬拓矢王座と対戦します。

 藤井竜王と中村九段の通算対戦成績は、藤井竜王の3連勝となりました。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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