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ハタチ=選挙権のラストイヤーの成人式で行う選挙啓発を考える

原田謙介政治の若者離れを打破する活動を10年以上
(写真:ロイター/アフロ)

成人式は選挙管理委員会にとっても一大イベント

行政の中で、成人式を直接所管する子ども若者関連の部署だけでなく、選挙を担当する選挙管理委員会などの部署にとって成人式は一つの大きなイベントだ。

なぜか。それは、その場には「新有権者」が多く集うからだ。選挙の際の投票率向上は選挙管理委員会事務局のミッションの一つであり、

これ以上ない選挙権を持ったばかり、あるいは間もなく持つ市民が集まる成人式は啓発の場としては素晴らしい場なのである。

式典というか、祭り状態の成人式で行われていること

新成人ばかりが多く集まるからといって、そう簡単に投票や政治への関心の意義を伝えられるものではない。新成人の方は、成人式という非日常の一生に一回の祭りを楽しみに、そして久しぶりに出会う同級生との再会を楽しみに来ているのだ。

さらにいえば、成人式の後の飲み会が本番なのだ。

とはいえ主体的に成人式に来るのであれば、来賓の方の挨拶を聞かず騒いだり、壇上に登ったりする人が非常識なのは間違いないが・・・

しかし、「みなさんは選挙権を持ったので、ぜひ投票に行きましょう」という話が壇上で行われたところでどこまで聞いているものなのか。どれだけの新成人の心に刺さるものなのかは再考の余地がある。

多くの自治体で作っている、または都道府県単位で制作している「投票に行こう」的なパンフレットが配られたところで、読み、そして意識が変わるものなのか。あるいは家まできちんと持って帰るのものなのか?

式典の入口で自治体内のゆるきゃらの模擬投票を、本物の投票箱と記載台を使って行うことが、どれだけ実際の選挙の投票につながるものなのか。

これらのことは実際に多くの自治体で成人式の際に行われていることだ。

効果がないとはいえないし、成人式という機会ででなにも啓発を行わないのももったいないのはわかる。

主役は新成人であることを忘れてはならない

成人式で最も意識すべきことは主役は新成人の皆さんだということである。

もちろん、行政が税金を使い、多くの来賓の方も来て実施されている公的な企画ではあるが、新成人を祝福する場であり、大人や政治の考えを押し付ける場ではない。あくまでも成人式の文脈に沿った、新成人が楽しめる機会の提供のための議論を行うべきである。

昨年度の成人式の際に、自分が代表を務めるNPO法人YouthCreateと東京都中野区は協働で成人式で啓発企画を実施した。

詳細はここには書かないが、ざっくりいうと、新成人の投票により区長の話すテーマをきめるというものだ。

実際に自分の一票で行政の長の行動を変えることができる成功体験を感じてほしいと思い企画をした。

詳細はこちらから

成人式の主役は成人!成人が投票で区長の話を決める中野区(原田謙介) - Y!ニュース

この企画が文句なしの成功に終わったとは全く思っていないが、画一化している成人式の際の啓発の新たなチャレンジとしてやって良かったとは思っている。また、他の自治体の方にこの事例を話すと強い関心を持ってくださるのもうれしいとこだ。

ハタチ=選挙権のラストイヤー

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来年度から選挙権年齢が18歳以上へと引きさがることがほぼ確実である。

そして、まだ成人年齢の引きさげの話はすすんでおらず、新成人=新有権者となる年は今年度で終わりになると思われる。

そのラストの成人式で何を行うべきか。YouthCreateでは今年も中野区と共に成人式での啓発企画を考えている。

新成人代表として、成人式実行委員に立候補し企画を考えている皆さんとも会い、企画を練っている。

去年とはまた違った形での、新成人が参加でき、楽しみ、そして投票や政治参加の意義を感じるものを作る為に頭を絞ります。

政治の若者離れを打破する活動を10年以上

1986年生まれ。岡山在住。愛媛県愛光高校、東京大学法学部卒。「学生団体ivote」創設。インターネット選挙運動解禁「OneVoiceCampaign」。NPO法人YouthCreate創設。「若者と政治をつなぐ」をコンセプトに活動。大学非常勤講師や各省有識者会議委員などとして活動を広げていく。18歳選挙権を実現し、1万人以上の中高生に主権者教育授業を行う。文科省・総務省作成「政治や選挙等に関する高校生向け副教材」の執筆者でもある。2019年参議院選挙・2021年衆議院選挙に立候補し敗れる。元岡山大学非常勤講師。元グローバルシェイパー東京代表。元中野区社会福祉評議会評議員

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