「キリンラーメン」新名称は「キリマル」に決定
愛知県西三河地方のご当地即席めん「キリンラーメン」の新しい商品名が「キリマル」に決まりました。製造・販売元の小笠原製粉が、8月1日に発表しました。新名称の商品は、現行商品と同じ味で秋ごろから発売予定だそうです。
キリンラーメンは、「キリンの首のように『末永く』『親しみやすい』商品になれば」と1965年に発売されて以降、ご当地で愛され、2010年からは全国でも販売されています。ですが、このほど、「諸般の事情」で名称を変更せざるを得なくなりました。
名称変更を余儀なくされた「諸般の事情」の詳細について、小笠原製粉は明かしていませんが、おそらく飲料メーカー・キリンとの商標権の問題ではないかという見方が大勢です。
新名称は一般公募。最終候補は、小笠原製粉本社のある碧南市から取った「ヘキナン」、良い意味を表す「○」を加えた「キリマル」、小笠原製粉の社名から取った「オガサワラ」の3案。ネット投票による「総選挙」を行うなど吟味した結果、「キリマルラーメン」に決まったそうです。
候補3案の中から、最も「キリンラーメン」に近いニュアンスの名称が選ばれたという結果ですね。新名称は1日正午にWebサイトでも公表されます。
ところで、新名称の商標は大丈夫なのでしょうか? 「キリマル」だけでなく「ヘキナン」「オガサワラ」については、同社の関係者とみられる人によって商標出願されていると、弁理士の栗原潔さんが指摘しています。
出願された商標をいち早く知らせてくれるTwitterアカウント「商標速報bot」によると、7月11日付で、「松本 春芳」という人物が「キリマル」など3案の商標を出願。3案が公表される以前に出願されていたことになり、この人物は関係者とみて間違いなさそうだ、というのが栗原さんの見解です。
また、袋に描かれたキリンのイラストも、2017年に商標登録されています(それを指摘する栗原さんの記事)。
新名称「キリマル」は、変更の危機に直面することなく消費者になじみ、長く愛される名称になっていくことを願ってやみません。