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異常性愛(パラフィリア)の心理学:真面目に考える性的倒錯

碓井真史社会心理学者/博士(心理学)/新潟青陵大学大学院 教授/SC
(提供:イメージマート)

■性とは

「性」は、決してネガティブなものではありません。男女の恋は、多くの美しい物語になります。もしも人類から性欲が消えてしまえば、人類は滅亡の危機です。

その一方、性にまつわる多くのトラブルが発生しています。本人やパートナー、周囲が困ってしまうこともあります。その一つが、異常性愛です。時には、恐ろしい殺人にまで発展することもあります。

■本能としての性、本能から離れた人間の性

性欲も、性行動も、本能に基づきます。多くの生物が本能に基づいて子孫を増やしていきます。しかし、人間の性は、本能的な生殖だけが目的ではなくなっています。そのことによって、文明は発展し、美しい恋愛物語も生まれ、同時に悲劇もうまれました。

動物であれば、発情期にオスとメスが出会えば、交尾につながるアプローチが始まります。人間は、必ずしもそうではありません。人間社会でいつもそんなことが起きていれば、学校も会社も公共交通機関も繁華街も、大騒ぎです。人間は、性行動を必要に応じて抑えることによって文明社会を作り出したとも言えるでしょう。

一方で、生殖を目的としない性は、限度を超えて広がってしまうこともあります。また人間は、動物と異なり、様々なものに性欲を感じ、多様な性行動を生みだしてきました。その一部が、異常性愛と呼ばれるものです。

■異常性愛とは

異常性愛には、性対象の異常と性目標の異常があります。ただし、何を異常と見なすのかは、時代によって変化してきました。

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社会心理学者/博士(心理学)/新潟青陵大学大学院 教授/SC

1959年東京墨田区下町生まれ。幼稚園中退。日本大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(心理学)。精神科救急受付等を経て、新潟青陵大学大学院臨床心理学研究科教授。新潟市スクールカウンセラー。好物はもんじゃ。専門は社会心理学。テレビ出演:「視点論点」「あさイチ」「めざまし8」「サンデーモーニング」「ミヤネ屋」「NEWS ZERO」「ホンマでっか!?TV」「チコちゃんに叱られる!」など。著書:『あなたが死んだら私は悲しい:心理学者からのいのちのメッセージ』『誰でもいいから殺したかった:追い詰められた青少年の心理』『ふつうの家庭から生まれる犯罪者』等。監修:『よくわかる人間関係の心理学』等。

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