ミュージシャン向谷実氏発明の「ホームドア」の特許公報について
「向谷実氏考案の"ホームドア"JR九州で実現へ」というニュースがありました。元カシオペアのキーボーディストでもあり鉄道マニアでもありトレインシュミレータ等の開発会社経営者でもある向谷氏の薄型ホームドアがリアルで鉄道会社に採用されたというニュースです。
ということです。鉄道好き、かつ、鉄道関連企業の経営者としては何ともうれしいことではないでしょうか。
記事中に「特許も取得」と書いてあったので調べてみるとしっかり登録されていました。昨年の10月に登録された特許5828054号「プラットホーム用乗降通路開閉装置」です。
さて、ここで問題はこの特許の内容をどうやってご紹介するかです。わが国の公式特許データベースである特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)は公報データに直リンクが張れません。もちろん上記の特許番号を入力して検索すれば見られるのですが、インターネット上に既にある情報を紹介するのにリンクが張れないというのは何とも理不尽です。
公開公報であれば「かんたん特許検索」や「アスタミューゼ」のような民間の無料特許情報検索サイトに掲載されていれば直リンクを張れるのですが、この特許は早期審査により公開前に登録されているので公開公報が発行されておらず、それもできません。
しかし、実はこういう場合の裏技があります。EPO(欧州特許庁)が提供しているespacenetならば公報データに直リンを張ることができます(espacenetは欧州だけでなく全世界の特許文献が集約されています)。ただ、残念なことにイメージ形式のPDFになっているので文字としてコピペしたりはできません。また、おそらく掲載までちょっとタイムラグがあると思います。
日本の特許公報にリンクを張るだけのために欧州特許庁のシステムの助けが必要という状況は早くなんとかしてほしいですね。