アジアカップで敗退した日、2名の元日本代表DFも苦戦を強いられていた
サムライブルーが、アジアカップ準々決勝でイランに1-2で敗れたおよそ7時間後、元日本代表のディフェンダー2名が、米国カリフォルニア州のピッチに立った。
現地時間2月3日、昨シーズン、8勝14敗12分で西地区の14チーム中、13位と苦しんだLAギャラクシーが、同地区で首位だったセントルイス・シティSCをホームに迎えてプレ・シーズンマッチを行った。
昨年8月にギャラクシーに加入した吉田麻也は左腕にキャプテンマークを着け、列の先頭で登場。ギャラクシーの面々は、本来のユニフォームとは違う練習着のようなグレーのシャツを纏っていた。
キックオフ前のウォーミングアップで、ディグニティ・ヘルス・スポーツ・パークのピッチに現れた吉田は、何度かセンターサークルから左、右とウイングのポジジョンにロングボールを蹴った。今季のギャラクシーは最後列からのパスが一つの鍵になるかと、思われた。
ギャラクシーは2022年8月にFCバルセロナから移籍し、今シーズンは背番号10をつけるリキ・プッチが、まだ合流していない。右足首のケガの回復に時間を要しているのだ。その点が明暗を分けた。
UCLAのMFとして大学サッカー界で注目されていたタッカー・レプリーが、プッチの代わりにトップ下に入ったが、中盤をセントルイスに支配され、19分にFKのこぼれ球をミドルシュートで豪快に決められて0-1。
今季からギャラクシーの一員となった山根視来も先発だったが、まだ新チームでの存在感は薄い。前半のみで退いたが、ギャラクシーは右サイドから効果的な攻めを見せられなかった。山根と縦で組んだMF、マウリシオ・クェバスとの連携も、築けていない。
後半頭に、ギャラクシーは山根を含めた2名を交代。3バックで吉田と共に最後尾を形成したエリク・ザウベレッタは、何故か背番号の入っていないウェアでピッチに立った。
55分、ギャラクシーは、マウリシオ・クェバスのクロスを、ウルグアイ生まれで、5歳にして米国マサチューセッツ州に移り住んだ28歳のMFディエゴ・ファグンデスが決めて同点とする。一瞬は、そのまま流れを掴めるかとも感じさせたが、パスが通る割合はセントルイスが圧倒的に多かった。
セントルイスは後半の頭から11人全員を交代し、ギャラクシーも62分に8名を若手に代え、経験を積ませた。
試合終了2分前、運動量豊富なセントルイスのMFで、ミネソタ・ユナイテッド2軍のエースとしてMLS入りを狙うアジエル・ジャクソンのスルーパスを、アイスランド代表のFW、ノキヴィ・ソリソンが合わせ、勝負を決めた。
ギャラクシーのグレッグ・ヴァニー監督は、ザウベレッタが背番号の入っていないシャツでプレーした理由を「私にも分からない」と答えたが、25日の開幕までに万全の体制は整うか。
今シーズンのオープニングゲームには、リオネル・メッシ率いるインテル・マイアミがLAにやって来る。2月3日は1万2552の観客しか埋まらず、スタディアムには空席が目立ったが、開幕戦はフルハウスとなるだろう。2名の日本人ディフェンダーの奮起に期待したい。