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日本とは対照的? 韓国地上波の“美しすぎる女子アナ”たちの人気が「没落」したワケ

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
(写真:アフロ)

女子アナウンサーの話題を目にすることが増えた今日この頃だ。

例えば、テレビ朝日の小川彩佳と宇賀なつみ、TBSの宇垣美里ら各局の“看板”とされる女子アナたちが相次いでフリーに転身ことも話題だ。

また、元乃木坂46の斎藤ちはるが4月にテレビ朝日に入社し、『羽鳥慎一モーニングショー』のアシスタントに抜擢されたことなども関心を集めている。

女子アナの人気は相変わらずだが、韓国の状況は日本とは対照的ともいえるかもしれない。地上波3局(KBS、MBC、SBS)の女子アナの人気に陰りが見えているというのだ。

“スポーツ女神”も人気

そもそも韓国でも、日本と同じように女子アナのタレント化が進んできた。

かつては「品行方正のキャリアウーマン」というイメージが強かったが、近年は日本同様にバラエティ番組やスポーツ番組を彩る女子アナが増えており、個人ブログを開設する女子アナやマニアが集まるファンサイトもある。

SBSのチャン・イェウォンをはじめ、スポーツ番組のMCを務める女子アナなどは、“スポーツ女神”と呼ばれてアイドル並みの人気を集めているほどだ。

(参考記事:【PHOTO】大胆グラビアに美人姉妹、大リーガーと結婚も!! 韓国の美しすぎる“スポーツ女子アナ”を一挙紹介!!

ただ、ここ最近は状況が変わり、人気を集めてきた地上波の女子アナの注目度が下がっているらしい。

お天気お姉さんが表紙に

MBCの女子アナであるソン・ジョンウンはこう話している。

「最近はこれまでのように番組のMCを務めたり、ニュースを読み上げたりするだけでは、アナウンサーが認知度と影響力を高めることは難しくなりました」

そこには、韓国でチャンネルが多様化していることも関係しているのだろう。

韓国には現在、総合編成チャンネル4局(MBN、JTBC、TV朝鮮、チャンネルA)を含めケーブルテレビ局が100以上あるといわれている。報道専門局やスポーツ専門チャンネルでは独自にアナウンサーを採用しており、彼女たちの存在感も日に日に増している。

(参考記事:トップクラスの美貌!! 韓国JTBCの女子アナ“ビッグ3”が美しすぎる!!【PHOTO】

今年1月にも、“女優級の美貌”と称されて人気を集める『KBS N sports』のオ・ヒョジュがVリーグのオールスター戦に登場し、メディアで写真特集が組まれていた。

また、ケーブルテレビ局で人気を集めているのは女子アナに限った話ではなく、“気象キャスター”と呼ばれるお天気お姉さんなども人気が高い。

昨年に気象キャスターとして初めて男性誌『MAXIM KOREA』の表紙モデルに抜擢されて話題になったチュ・ジョンギョンも、『聯合ニュースTV』の所属だった。

つまり、チャンネルの多様化によって女子アナの競争が激しくなる中で、相対的に地上波の女子アナの人気が落ちているというわけだ。

韓国メディア『スポーツ朝鮮』も、「アナテイナー(アナウンサー+エンターテイナー)たちの没落?…アナウンサー復活の方法探しが至急」と題して、「最近、アナウンサーたちが感じる危機感は最高潮に達している」と報じている。

もっとも、当の女子アナたちも、そんな状況を呆然と眺めているだけではない。

女子アナもYouTube進出

例えば、YouTubeに進出する女子アナも登場している。

今年1月には、SBSのチュ・シウンが自身のYouTubeチャンネルを開設。同じくSBSのチャン・イェウォンもユーチューバーとして活動を始めた。

またMBCのイム・ヒョンジュ、キム・スジなどもYouTubeで動画を配信している。

最近は日本と同じく韓国でも芸能人のYouTube進出が増えている中、女子アナたちもYouTubeを通じて新たな側面を見せてファンを獲得しようと努力している様子だ。

そのほかにも、MBCはアナウンサーたちの“リブランディング”を目指して写真集を発刊するなど、地上波女子アナたちが復権のために行っている取り組みは多い。

前出のソン・ジョンウンは言っている。

「地上波アナウンサーの影響力が小さくなったのは、メディア環境の変化だけのせいだけだとは思いません。アナウンサーはこれまでのように機能的な役割をするだけでなく、自分だけのコンテンツを持って、自分だけのストーリーを伝えることができるようにならなければなりません」

はたして、韓国の地上波・女子アナたちはケーブルテレビ局との競争を勝ち抜き、人気を取り戻すことができるか。韓国の女子アナたちの人気争いにも引き続き注目したい。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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