12月24日がピーク…クリスマスに向けてケーキはいつ買われるのだろうか(2023年公開版)
12月になると街中を彩り甘い香りを覚えさせるクリスマス向けのケーキ達。ケーキは具体的にいつ頃買われているのか。日々の動向を総務省統計局の「家計調査」から検証する。
「家計調査」では二人以上世帯(原則夫婦世帯)においてのみ、日次の動きに関する調査も行われている。世の中全体の傾向を推し量るのには総世帯(単身世帯+二人以上世帯)の値が望ましいのだが、存在しない以上仕方がないので、この二人以上世帯における日々の支出額(=消費額)を基に、ケーキがクリスマスに向けてどのように買われているのかを確認する。
「家計調査」では該当する品目分類として「ケーキ」そのものが確認できる。その項目が指す具体的内容は説明によると次の通り。
●ケーキ
原則として、小麦粉をスポンジ状、タルト状に焼きあげ、それに生クリーム、果物などを飾ったもの。
〇ショートケーキ、モンブラン、チーズケーキ、サバラン
×バームクーヘン、パウンドケーキ、アップルパイ→「他の洋菓子」
バームクーヘンなどもクリスマスケーキとして用いられる場合があるかもしれないが、「他の洋菓子」にはエクレアやシュークリーム、ババロア、スイートポテト、ムースなど多様な洋菓子が該当するため、クリスマス向けのケーキの傾向を推し量るのには適していない。
現時点で日次データが取得できるのは2023年9月分まで。そこで前年度に該当し、クリスマス関連の傾向を推し量れるように、2022年11月から2023年3月までの日々の支出に関して、「ケーキ」の金額を確認したのが次のグラフ。
たまたま誕生日や結婚記念日などのイベントや、ちょっとしたご褒美としてケーキを買う場合もあるためか、毎日一定額はケーキが買われているのが分かる。一方でクリスマスイブの12月24日に向けて支出額は急激に増え、ピークとなる12月24日には427.11円を示す。クリスマスイブではなくクリスマス当日にケーキを買う場合や、イブを過ぎて安売りされているケーキを買うケーキ好きの人も少なからずいるようで、12月25日も通常と比べると高い値を示しているのも興味深い。
一方で3月3日にはクリスマスにはおよばないものの、明らかにケーキへの支出額が増える動きが確認できる。これはひな祭りのためにケーキが買われるために生じたものだろう。
いずれにせよケーキのセールはクリスマス前後がピークであることに違いはないようだ。
他方、ケーキをはじめとするスイーツの消費傾向に影響を与える要因の一つとして、コンビニの存在が挙げられる。いつでもすぐに気軽にスイーツが手に届く環境の整備は、ケーキの存在を身近なものとしたに違いない。今件におけるクリスマス向けケーキの多くがコンビニで購入されたものと考えられる。
そこでコンビニがスイーツに本腰を入れていない2010年時点の動きを確認したが(コンビニでのスイーツ展開が本格化するのは2010~2011年から。ローソンが2009年にプレミアムロールケーキの販売を始め、大ヒットになったのがきっかけ。セブン-イレブンでは2012年5月からオリジナルスイーツの全面改定と工場の新設・増強を行っている)、2022年のものと大きな違いはなかった。
ともあれ昔も今も、クリスマスにはケーキが大いに買われることに違いはあるまい。
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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。
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