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3種類のMVPを受賞した選手はいるのか。ハーパーは2種類目を手にし、初出場のワールドシリーズでも!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ブライス・ハーパー(フィラデルフィア・フィリーズ)Oct 22, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今年のリーグ・チャンピオンシップ・シリーズMVPは、ブライス・ハーパー(フィラデルフィア・フィリーズ)とジェレミー・ペーニャ(ヒューストン・アストロズ)が、それぞれのシリーズで受賞した。

 これから始まるワールドシリーズで、ハーパーかペーニャがMVPとなれば、同じ年にリーグ・チャンピオンシップ・シリーズとワールドシリーズのどちらもMVPは、史上9人目となる。1979年のウィリー・スタージェル、1982年のダレル・ポーター、1988年のオレル・ハーシュハイザー、1997年のリバン・ヘルナンデス、2008年のコール・ハメルズ、2011年のデビッド・フリーズ、2014年のマディソン・バムガーナー(当時サンフランシスコ・ジャイアンツ/現アリゾナ・ダイヤモンドバックス)、2020年のコリー・シーガー(当時ロサンゼルス・ドジャース/現テキサス・レンジャーズ)に続く。

 また、ハーパーもペーニャも、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズは初出場だったが、ハーパーがメジャーリーグ11年目であるのに対し、ペーニャのメジャーデビューは今シーズンの開幕戦だ。ハーパーは、これまでに、レギュラーシーズンのリーグMVPも受賞したことがある。ワシントン・ナショナルズとフィリーズで1度ずつ、2015年と2021年に選ばれた。

 リーグMVP、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズMVP、ワールドシリーズMVPのうち、2種類以上を手にした選手は、ハーパーが37人目だ。なお、3種類のMVPは、制定された年が異なる。現行のリーグMVPは1931年、ワールドシリーズMVPは1955年、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズMVPはナ・リーグが1977年、ア・リーグは1980年だ。

 37人中36人は2種類のMVPだが、あとの1人、スタージェルは3種類のMVPを手にしている。いずれも、1979年に受賞。リーグMVPは、同じく216ポイントを得たキース・ヘルナンデスと分け合った。この時の票の内訳については、先月下旬に「大谷翔平とアーロン・ジャッジの2人が「MVPを同時受賞」の可能性はあるのか」で書いた。

筆者作成
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 スタージェルのような、同じ年ではないものの、ハーパーが今年のワールドシリーズでMVPに選ばれれば、3種類のMVPを受賞した史上2人目の選手となる。

 このポストシーズンで、ハーパーは打ちまくっている。打率.419は10打席以上の86人のなかで最も高く、出塁率.444とISO.488は4位、OPS1.351は2位。5本塁打と11打点は最多タイで、11長打、6二塁打、18安打は、誰よりも多い。

 ただ、今年のワールドシリーズで3種類目のMVPを手にする可能性があるのは、ハーパーだけではない。アストロズの2人、ジャスティン・バーランダーホゼ・アルトゥーベも、過去にリーグMVPとリーグ・チャンピオンシップ・シリーズMVPを受賞している。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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