日本人世界王者に敗れた元挑戦者の今
来たる25日に2年5カ月ぶりのリングに上がるWBCミドル級世界チャンピオン、ジャーモール・チャーロ(33)。そのチャーロを指導するのは、1986年12月2日に浜田剛史の持つWBCジュニアウエルター(現スーパーライト)級タイトルに挑み、1-2の判定で敗れたロニー・シールズ(65)である。
彼は世界のベルトには届かず、26勝(19KO)6敗1分けの戦績で引退し、トレーナーに転向した。そしてマイク・タイソン、イベンダー・ホリフィールド、タイレル・ビッグス、デビッド・トゥーア、パーネル・ウィティカー、メルドリック・テイラー、リビングストン・ブランブル、アルツロ・ガッティ、ラウル・マルケス、ジャーモール・チャーロを指導してきた。
チャーロとの作業を続けるシールズは言う。
「ジャーモール・チャーロが本当に戻ってきたと思う。彼は2年前の状態に戻ったよ。ボクシングに向かう姿勢が素晴らしく、毎日のトレーニングで顔を合わせるのが楽しみだった。
リングでのサビは確かに目に付いたが、私たちはそれを落とすために毎日トレーニングを重ねた。つまり、彼は準備万全だ。試合が明日だったら良いのに、とさえ感じる。
(対戦相手の)ホセ・ベナビデス・ジュニアは、多くのものをリングにもたらしてくれるだろう。注目すべきは彼の獰猛なスタイルだ。ボクシング界に必要だよな。
ホセは、弟のデビッドと似ている。彼らは共に優れたファイターであり、ハードなトレーニングを乗り越えて試合当日を迎えるだろう。とても良いことさ。こちらも"戦い"を求めているからね。
私は徹底的にホセを分析した。全てを知っている。我がチームが利用できるもの、こちらが有利に働くと思われることを把捉している。結局、ホセにとって、ジャーモールは強過ぎるんだ。
ジャーモールは私にとって息子のようなものさ。今、素晴らしいコンディションだ。彼は妻と子供たちと一緒に過ごし、瞬間瞬間を、本当に楽しんでいる。それは、成功するために必要なものだ。このキャンプで幸せを噛み締めていただろう。
ホセ・ベナビデス・ジュニアはいつものように、スピードに乗ってかなりのプレッシャーをかけてくると予測する。しかし、ホセがどんな戦い方をしようが、私たちは対応できる。ジャーモールの力は特別であり、私たちはその力を発揮させるべく、彼をバックアップし続けるのさ」
WBCミドル級王者は、カムバック戦を白星で飾れるか。