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スティーブ・レイマンのピアノが施す、深い癒し  “癒しの周波数528Hz”ミュージックが話題

田中久勝音楽&エンタメアナリスト
「528Hzの音楽は、自分が落ち着いた気分でいられる場所を確保するためのもの」

世界で活躍し、日本でも人気のピアニスト&コンポーザー、スティーブ・レイマン

スティーブ・レイマンといえば、世界で活躍するカナダ・トロント出身のピアニスト&コンポーザーで、日本でも演奏するようになって25年。これまでに6枚のヒーリング・ミュージックの作品を発表し、聴いた人の心を癒し、潤してくれている。スティーヴのピアノ楽曲は、テレビやラジオでよく使われていて、知らず知らずのうちに耳にしている人は多い。そんな彼の最新作が、近年話題になっている『癒しの周波数528Hz』シリーズだ。カーペンターズの名曲をカバーした『Close To You』と同じくビートルズの名曲をカバー『In My Life』が6月27日に同時発売され、話題になっている。

周波数528Hz(ヘルツ)とは?

長年世界中で愛されているメロディが、周波数528Hz(ヘルツ)で奏でられ、新たにヒーリング・ミュージックとして生まれ変わった。そもそも周波数528Hzとは何なのか。2作品のライナーノーツで解説している、528Hz音楽療法の第一人者、理学博士の和合治久氏の言葉を借りると「528Hzという周波数の音は、昔、存在していたと言われる「ソルフェジオ音階」の一つです。この音階は、現在ある「ドレミ」の音階とは異なり、主に7種類の特定の周波数の音から構成されています。この7つの周波数の中でもっとも注目されている周波数が、無限の可能性を秘め「愛の周波数」あるいは「遺伝子を修復する周波数」と呼ばれている528Hzです。近年、528Hzを含む音楽に聴き入ると、人間の意志とは無関係に作動する自律神経の中でも、脳や体を安らぎ状態に導く副交感神経にスイッチが入るために、心身が安らぎモードになることが医学的研究からわかっています」(抜粋)。

人々の心を癒し続けているスティーブ・レイマンに、新たに取り組む「528Hz」の響きを持つ音楽についてインタビューした。

「528Hzという周波数は、新しいジャンルの音楽」

――今回の作品のレコーディングにあたっては、ご自身のピアノを手作業の調律で528Hzの周波数を作り出したとお聞きしました。一番苦労したのはどんなところですか?

スティーブ どうしても温度と湿度の影響を受け、ストリングスは440Hzに戻りたがるので、レコーディング中は8回くらいチューニングをしなければいけなかった。通常のレコーディングは441Hzに設定することが多いのですが、444Hzにチューニングすることによって出る528Hzという周波数は、新しいジャンルの音楽といえると思います。

――音がまろやかというかよりクリアになるというか、そういう感覚で聴き手の耳に入ってくるのでしょうか

スティーブ 音質自体はリラックスできるものとして入ってくると思います。528Hzが出るピアノと、同じく528Hzが出ているシンセサイザーの音、二つの音が重なることでこの世界観を作っています。

「ビートルズとカーペンターズは日本でもファンが多い。おなじみの曲であれば、リラクゼーション効果がさらに高まると思った」

――528Hzを含む音楽に聴き入ると、人間の意志とは関係なく自然と副交感が刺激され、癒されるという捉え方でいいのでしょうか?

スティーブ そうです。通常のリラクゼーション・ミュージックだと、そういう音が大きすぎたり、強調しすぎているけれど、今回はすごく意識して聴かないとわからないくらいのところで使っているので、そういう意味では聴き手の耳に自然に、意識せずに入ってきているのではないかと。

――『癒しの周波数528Hz』シリーズで、まずビートルズとカーペンターズの楽曲を選んだ理由を教えてください。

『癒しの周波数528HZ~Close To You~』(6月27日発売)
『癒しの周波数528HZ~Close To You~』(6月27日発売)
『癒しの周波数528Hz~IN MY LIFE~』(6月27日発売)
『癒しの周波数528Hz~IN MY LIFE~』(6月27日発売)

スティーブ 自分がファンということと、世界で最も有名で、日本でもすごくファンが多いグループで、みなさんが知っているおなじみの曲であれば、さらにリラクゼーション効果が高まるのではないかと思いました。自然に528Hzを感じてもらえるような、無理にこれは528Hzですよ、という感じにならない方向で作っています。美しいメロディを528Hzで聴かせることをメインに、あまり色々な音を入れすぎてしまうと、ただスティーブ・レイマンのピアノを聴いているということになってしまうので、曲と効果を伝えるためにシンプルにしました。小さい音でも効果があるので、クスリとしての音楽のようなものを目指しています。

「自分が落ち着いた気分でいられるスペースを確保するための音楽」

――ストレスフルな時代、超高齢化社会の中で、こうした意味のある周波数を含む音楽は有効活用できそうですね。

スティーブ この作品がその助けになれば嬉しいです。ただの音楽ではなく、自分が落ち着いた気分でいることができるスペースを確保するための音楽としても、使えるのではないかと思っています。リスナーの感じ方は人それぞれだと思いますが、精神のバランスを取るために役立つ人もいると思いますし、よく眠れるCD として使っていただいても構いません。途中で眠くなってしまうから、CDを最後まで聴けないというのはヒーリング・ミュージックに対する最高の褒め言葉です(笑)。とにかくここから前向きなエネルギーを感じて欲しいです。

「このシリーズを聴くと、悲しい気持ちの人は幸せな気持ちになり、幸せな人はもっと活動的になるはず」

――これまで数多くのリラクゼーション・ミュージックの作品を発表していますが、人の心を穏やかにするものを作る制作の現場では、苦しみもあるのでしょうか?

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スティーブ 自分のオリジナル曲に関しては、まだ誰も聴いたことがない曲なので、自分のイマジネーションはいくらでも膨らんでいきます。今回のように、有名な曲をレコーディングできることは非常に光栄ですが、自分のスタイルにしていくために考えること、やらなければいけないことも多いです。それを自然に弾くことができて、自然に伝えることができるようになるまでが大変です。どのキーがその曲にとって一番いいのか、528Hzを出すにはどのキーが最適なのか、一番いいアレンジの仕方はそれぞれの曲によっても異なります。それが一番心地よく響くにはどうしたらいいかを追求しました。曲順も大切です。今回の2作品も、12曲がこの順番で繋がっていることで、ひとつの世界観になっているというか、リラクゼーションの一番効果的なものになっているということです。悲しい気持ちの人は、幸せな気持ちになって、幸せな人はもっと活動的になっていくと思います。

「あらゆる音楽を、528Hzトーンでレコーディングしていきたい」

――『癒しの周波数528Hz』シリーズは、ミュージシャンとしての新たな「使命」を見つけたという感じですか?

スティーブ いい曲とまた出会って、自分がそれを形にすることは大事で、自分が手を加えたものであっても、元々の楽曲のよさが人に伝わるように演奏しましたので、それを感じてくれれば嬉しいです。日本の曲を取り上げるのも面白いと思います。アニメやテレビドラマ主題歌集とか、そういう企画もあり得ると思います。ファンがこの作品を聴いてくれて、いいなと思ったら、次はどういう曲がいいのか聞いてみたいです。まだまだ528Hzにできるいい曲はたくさんあると思います。

『OTONANO』 スティーブ・レイマン「癒しの周波数528Hz」シリーズ 特設サイト

音楽&エンタメアナリスト

オリコン入社後、音楽業界誌編集、雑誌『ORICON STYLE』(オリスタ)、WEBサイト『ORICON STYLE』編集長を歴任し、音楽&エンタテインメントシーンの最前線に立つこと20余年。音楽業界、エンタメ業界の豊富な人脈を駆使して情報収集し、アーティスト、タレントの魅力や、シーンのヒット分析記事も多数執筆。現在は音楽&エンタメエディター/ライターとして多方面で執筆中。

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