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大河ドラマ「光る君へ」藤原隆家役は、朝ドラのニーニーこと竜星涼に決定 この役が彼にぴったりな理由

木俣冬フリーライター/インタビュアー/ノベライズ職人
藤原隆家を演じることになった竜星涼さん  写真提供:NHK

2024年度の大河ドラマ「光る君へ」(NHK)の第6次出演者発表が、8月31日(木)正午より公式X(旧twitter)ではじまった。

今回はどんな顔ぶれだろうか。

トップバッターはーー

藤原隆家役、竜星涼さん。

藤原隆家とは

藤原道長(柄本佑)の甥で、伊周(三浦翔平)、定子(高畑充希)の弟。父の道隆(井浦新)の死後、一家没落の憂き目を見るが、冷静かつ闊達な性格で乗りこえていく。のちに大宰府に赴任し、大陸から攻めてきた刀伊(とい)と対峙することに。

大河ドラマ、初出演の竜星さんはこのようにコメントしている。

「天下のさがなもの(荒くれ者)と呼ばれていた藤原隆家。平安時代にして、貴族でありながらも雅な人生とは真逆な武闘派であり、自分の信念を守り屈服しない強い人間。これは男として、また自分の信念にも通じ、とても憧れるものがありました。また、統率力もあったと思われる彼の武人としての人間力をどう演じるか今からとてもワクワクしています!」

朝ドラから大河へーー

藤原隆家役は当初、永山絢斗さんが演じる予定だったが、降板したため、誰になるか注目されていた。

竜星さんは、朝ドラ「ちむどんどん」(22年度前期)のヒロイン暢子(黒島結菜)の兄・賢秀役で注目された。天衣無縫なキャラで、情に厚く騙されやすく、借金したり詐欺まがいの商売に手を出したりして、SNSの話題を独り占め。「ニーニー」と劇中の呼ばれかたで知名度が全国区になった。

ニーニーは困った人ではあったが、竜星さんの演技のさじ加減によって、なんだか憎めない人物に造形された。

「ちむどんどん」の前、朝ドラ初出演作の「ひよっこ」(17年度前期)では、ニーニーとはまったく違う役を演じていた。ヒロインみね子(有村架純)の同郷の警察官役で、行方不明の父(沢村一樹)を探すみね子を親身になって助ける実直さが人気だったのだ。

日曜劇場でも注目されている

とことんおバカな人物から、誠実で清潔感あふれる人物まで演じる役は幅広く、現在は日曜劇場「VIVANT」(TBS系)で公安の刑事・野崎(阿部寛)の部下・新庄役を演じているが、この人物は、公安にしては捜査がゆるいと、別班のスパイ説なども流れていて、敏腕なのかポンコツなのかわからない、ここでも見事なさじ加減を発揮している。

平安時代の荒くれ者が似合うわけ

朝ドラや日曜劇場で人気を獲得し、いよいよ大河出演となる。大河、時代劇はこれまでとはかなり勝手が違う。だが、竜星さん、劇団☆新感線の舞台で時代劇も経験済み。大柄な身体による殺陣のダイナミックさで観客を魅了した。とりわけ「狐晴明九尾狩」(21年)は平安時代の荒くれ者の役(貴族ではなく野武士の棟梁)だったので、貴族の家に生まれながら、荒くれ者として暴れまくる隆家役とは相性がよさそう。

また、姉・定子に仕えた清少納言が書いた「枕草子」のなかの隆家の逸話に彼のユーモラスな部分が垣間見え、そういうところも竜星さんならチャーミングに演じてくれそう。これまで竜星涼さんのやってきたことが、”藤原隆家”に集約して、花開くに違いない。

フリーライター/インタビュアー/ノベライズ職人

角川書店(現KADOKAWA)で書籍編集、TBSドラマのウェブディレクター、映画や演劇のパンフレット編集などの経験を生かし、ドラマ、映画、演劇、アニメ、漫画など文化、芸術、娯楽に関する原稿、ノベライズなどを手がける。日本ペンクラブ会員。 著書『ネットと朝ドラ』『みんなの朝ドラ』『ケイゾク、SPEC、カイドク』『挑戦者たち トップアクターズ・ルポルタージュ』、ノベライズ『連続テレビ小説 なつぞら』『小説嵐電』『ちょっと思い出しただけ』『大河ドラマ どうする家康』ほか、『堤幸彦  堤っ』『庵野秀明のフタリシバイ』『蜷川幸雄 身体的物語論』の企画構成、『宮村優子 アスカライソジ」構成などがある

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