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東京の桜 最も開花しやすい日は?

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
桜前線のスタート地点 過去5回は東京から(写真:アフロ)

 東京の桜開花日は平年で3月26日。でも、本当は3月31日が一番多い。なぜ、26日なのか?答えは開花日のグループにあった。

東京 最も多い開花日は?

 こちらは最新の桜開花予想マップです。

さくら開花予想(3月14日発表、ウェザーマップ)
さくら開花予想(3月14日発表、ウェザーマップ)

 

 東京は今月21日(木)と予想され、開花まで一週間を切りました。東京の桜開花日の平年(1981年-2010年平均)は3月26日です。予想通りに開花すれば、2013年以降、7年連続で平年より早くなりそう。お花見シーズンは年々、早まる傾向にあります。

 それを表しているのがこちらのグラフです。桜が開花した日を数えました。

【東京】さくらの開花日 ヒストグラム(1953年から2018年まで、著者作成)
【東京】さくらの開花日 ヒストグラム(1953年から2018年まで、著者作成)

 過去最も早い開花日は3月16日、最も遅い開花日は4月11日です。これまで最も多く開花したのは3月31日の9回、次いで3月23日の6回、3月21日・24日・30日・4月2日の5回です。

 意外だったのは平年日である3月26日が4回と決して多くないこと。平年と言われると最も開花しやすい日と思うけれど、調べてみると違うことがわかりました。

開花日に2つのパターン

 このように開花日を並べてみると、3月22日頃を中心とするグループと3月31日頃を中心とするグループの2つに分かれます。

 第一グループは全体の半数が2000年以降に開花しています。一方、第二グループは1980年以前が半数を占めます。つまり、近年は第一グループ=早咲きが多いことを示しています。そして、第一グループと第二グループの中間が3月26日です。

 温暖化の進行で、冬が短く、春が早くなる傾向が続いていることで、東京の桜は昔とは様変わりしています。近い将来、20日過ぎの開花が当たり前となり、入学式に満開の桜は見られなくなるかもしれません。

全国トップは高知、でも

 桜前線はどこからスタートするのか、毎年のように話題になります。当然、冬も暖かい鹿児島県が一番と思いきや、全国トップは高知県が最も多く、記録が残る1953年以降で18回です。南国にありながら冬は冷え込みが厳しく、3月になれば急に春めく気候が早い要因なのでしょう。

さくら開花 全国トップランキング(著者作成)
さくら開花 全国トップランキング(著者作成)

 桜に詳しい方ならば、愛媛県の宇和島を思い出すかもしれません。残念ながら、気象台の観測は2005年で終了し、その後は宇和島市が独自に桜の開花を発表しています。それによると、2006年以降も、2008年・2009年・2011年・2013年・2015年で全国トップ開花となったそう。気象台の観測も含めれば、これまでに11回となり、高知県に次ぐ記録です。

 なお、桜前線が東京からスタートした年は1979年・1993年・2007年・2008年・2017年の5年です。

【参考資料】

宇和島市ホームページ:宇和島市さくら便り

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは128冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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