大谷翔平は40本以上のホームランを再び打てるのか。過去19年間にドジャースで40本塁打以上は1人だけ
ブルックリン・ドジャースとロサンゼルス・ドジャースで1シーズンに40本以上のホームランを打った選手は、延べ14人を数える。ロサンゼルスへ移転した1958年以降、あるいはドジャー・スタジアムがオープンした1962年以降は、延べ6人だ。
2005年以降の19シーズンに限ると、2019年に47本塁打のコディ・ベリンジャー(現FA)しかいないが、現在のドジャー・スタジアムは、ホームランが出にくい球場ではない。スタットキャストによると、ここ3シーズンにおける、左打席からのホームランのパーク・ファクターは117だ。これまで大谷がホームとしてきた、エンジェル・スタジアムの122――30球場のなかで3番目に高い――には及ばないものの、トップ5にランクインしている。
2011年のマット・ケンプと2017年のベリンジャー、2023年のムーキー・ベッツは、40本塁打まであと1本に迫った。大谷のパワーをもってすれば、ドジャースでも40本塁打以上は可能だろう。
もっとも、来シーズンのホームランは、40本に届かないかもしれない。大谷は、9月に右肘の手術を受けた。
前回の右肘手術は、2018年10月。この前後のホームランは、2018年が22本、2019年は18本だ。それぞれ、326打数と384打数なので、本数が減っただけでなく、1本当たりの打数も14.8→21.3と増えている。ホームランを打つペースがダウンした、ということだ。
これは、大谷がここ3シーズンのようなパワー・ヒッターとなる前のことだが、こんな例もある。
ブライス・ハーパー(フィラデルフィア・フィリーズ)は、2022年11月にトミー・ジョン手術を受けた。そして、2023年5月に復帰した。
手術の前後、2022年と2023年を比べると、ホームランは18本と21本、1本当たりの打数は20.6と21.8なので、そう変わっていない。だが、ハーパーが右肘を痛めたのは、2022年の開幕直後だ。その前の2021年は、13.9打数/本のペースで35本塁打。ハーパーは、2015年と2019年も35本以上のホームランを打ち、42本の2015年は、ノーラン・アレナード(当時コロラド・ロッキーズ/現セントルイス・カーディナルス)と本塁打王を分け合った。
手術から復帰後、ハーパーは、オールスター・ブレイクまでの56試合で打率.291と出塁率.386を記録したものの、ホームランは3本しかなかった。その後の70試合は、打率.296と出塁率.413、18本塁打だ。後半のペースは、2021年とほぼ同じ、13.7打数/本だった。
ハーパーのパターンが大谷にも当てはまるとは限らないが、大谷が再びホームランを量産するのは、来シーズンの後半以降、ということもあり得る。