オールスター後に30本塁打以上の打者たち。2年前に大谷翔平を逆転した捕手は後半に27本塁打
2年前、サルバドール・ペレス(カンザスシティ・ロイヤルズ)は、オールスター・ブレイクを迎える前に、21本のホームランを打った。それまで、シーズン前半の自己最多は、2017年の18本塁打だった。
この時点で、ペレスは、ア・リーグ本塁打ランキングの9位タイに位置していた。1位の大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)とは12本の差があり、2位のブラディミール・ゲレーロJr.(トロント・ブルージェイス)と比べても、7本少なかった。
そこから、ペレスは27本のホームランを積み上げ、シーズン全体の本数で大谷を上回り、ゲレーロJr.とともに本塁打王を獲得した。前半と後半を合わせたシーズン全体の本数は、大谷が33本+13本=46本、ゲレーロJr.が28本+20本=48本、ペレスは21本+27本=48本だ。
オールスター・ゲームが始まった1933年以降、シーズン後半に28本以上のホームランを打った選手――2021年のペレスよりも多かった選手――は、延べ32人を数える。
なお、オールスター・ゲームが年に2試合の1959~62年は、その1試合目を前半と後半の境目としている。例えば、1962年のオールスター・ゲームは、7月10日と30日に行われた。ハーモン・キルブルーのホームランは、7月8日までの86試合(出場80試合)が18本、7月12日~29日の17試合(出場17試合)が7本、7月31日以降の60試合(出場58試合)は23本なので、シーズン後半は77試合(出場75試合)で30本となる。
また、2015年の後半に28本塁打のクリス・デービスは、イニシャルCのクリスだ。イニシャルKのクリス・デービスは、2018年の後半に27本のホームランを打ち、こちらも本塁打王となっている。
シーズン後半に30本塁打以上の選手は、17人中12人(70.6%)がその年に本塁打王を獲得した。あとの5人のうち、1998年のサミー・ソーサとアルバート・ベル、1999年のソーサ、2001年のソーサは、いずれも、後半に30本塁打以上を記録した他の選手に、本塁打王を阻まれた。
2017年の後半に31本塁打のJ.D.マルティネス(現ロサンゼルス・ドジャース)は、7月中旬にア・リーグのデトロイト・タイガースからナ・リーグのアリゾナ・ダイヤモンドバックスへ移った。それぞれのチームで打ったホームランは、16本と29本だ。
そもそも、6年前のJ.D.は、前半のホームランが14本と少なめだった。前半15本未満&後半30本以上は、他には、1995年のベルしかいない。夏のトレードがなくても、J.D.は本塁打王になれなかったかもしれない。この年の本塁打王は、ア・リーグが52本塁打(後半22本)のアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)、ナ・リーグは59本塁打(後半33本)のジャンカルロ・スタントン(当時マイアミ・マーリンズ/現ヤンキース)が獲得した。
今シーズン、ペレスは、前半に15本のホームランを打っている。この本数は、ゲレーロJr.より2本多いものの、ア・リーグ1位の大谷とは17本の差がある。
ちなみに、大谷がシーズン後半に記録したホームランは、2018年と2022年の15本が最も多い。
ここから、ペレスと大谷が、それぞれ、後半の自己最多に並ぶホームランを打った場合、シーズン全体の本数は、ペレスが15本+27本=42本、大谷は32本+15本=47本となる。