9回打ち切りの場合、サヨナラ本塁打はどれくらい減る!? 過去5年の計80本中、延長戦のサヨナラ弾は…
どうやら、今シーズンのNPBは延長戦を行わず、9回裏が終わって同点の場合、そこで試合を打ち切るようだ。
9回打ち切りの影響は、さまざまなところに現れるだろう。引き分けの増加も、その一つだ。延長10回で打ち切りとしていた、昨シーズン以上に増えそうだ(昨シーズンの引き分けについては、昨年12月に「追いついたのか、追いつかれたのか。2020年の広島東洋と東京ヤクルトは「引き分け」が10試合以上」で書いた)。
今回は、サヨナラ本塁打について調べた。過去5シーズン、2016~20年のサヨナラ本塁打は、計80本を数える。シーズンごとの本数は異なるが、昨シーズンを含め、いずれも二桁のサヨナラ本塁打が記録された。
また、9回裏のサヨナラ本塁打が全体に占める割合も、2019年の36.8%(19本中7本)から2020年の70.0%(10本中7本)まで、かなりの幅がある。ただ、5シーズンとも、9回裏のサヨナラ本塁打は10本未満だった。この結果からすると、9回打ち切りとなった場合、今シーズンのサヨナラ本塁打の本数も一桁にとどまる可能性が高い。
過去5シーズンに3本以上のサヨナラ本塁打を打った選手は、鈴木誠也(広島東洋カープ)、筒香嘉智(当時・横浜DeNAベイスターズ/現タンパベイ・レイズ)、ダヤン・ビシエド(中日ドラゴンズ)の3人だ。鈴木は5本中2本が9回裏、筒香は4本中1本が9回裏だが、ビシエドは3本とも10回裏だった。ちなみに、昨シーズン、筒香がMLBで打ったホームラン8本のなかに、サヨナラ本塁打はなかった。
一方、過去5シーズンに3本以上のサヨナラ本塁打を打たれた投手は、田島慎二(中日)とヘロニモ・フランスア(広島東洋)の2人だ。田島は9回裏の3本と10回裏の2本、フランスアは3本中2本が9回裏。残る1本は、昨年7月10日の試合で、ビシエドに打たれた。
なお、こちらでは、試合の最後に記録されるサヨナラ本塁打とは対照的な、先頭打者本塁打について書いた。