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直近5年に先頭打者ホームランを「最も多く打った打者」と「最も多く打たれた投手」。昨年は0本の選手が…

宇根夏樹ベースボール・ライター
秋山翔吾 MARCH 5, 2017(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

 直近の5シーズン、2016~20年に記録された先頭打者ホームランは、計139本を数える。各シーズンの本数は、2016年が20本、2017年が29本、2018年が32本、2019年が34本、2020年は24本だった。

 念のために説明すると、これは、1番打者が初回の1打席目に打つホームラン、あるいは先発投手が試合の最初に対戦した打者(1番打者)に打たれるホームランを指す。1回表だけでなく、1回裏も含む。すべてソロ。先制点とは限らない。

 このスパンに最も多くの先頭打者ホームランを打ったのは、15本の秋山翔吾(現シンシナティ・レッズ/MLB)だ。2020年は日本プロ野球でプレーしていないので、5シーズンではなく4シーズンの合計だが、2位の茂木栄五郎(東北楽天ゴールデンイーグルス)より5本多い。2015年以前も含め、秋山の先頭打者ホームランは通算21本。福本豊の43本と比べると半数未満ながら、野村謙二郎と並び、歴代10位に位置する。

 ちなみに、秋山は2020年に、レッズの1番打者として28試合に先発出場した。それぞれの試合の1打席目を合計すると、24打数4安打、4四球、7三振、打率.167、出塁率.286。ホームランはなく、長打は二塁打1本だった。他の155打席(131打数)でも、ホームランは打っていない。

 2019年に4本の先頭打者ホームランを打った西川龍馬(広島東洋カープ)は、そのすべてを7月下旬に記録した。7月21日から31日までの9試合で4本だ。西川はこの間に、先頭打者ホームラン以外の本塁打も1本打った。

 一方、直近の5シーズンに最も多くの先頭打者ホームランを打たれたのは、5本のデービッド・ブキャナン(現サムスン・ライオンズ/KBO)だ。こちらは、東京ヤクルトスワローズで投げた3シーズンに記録している。

 ブキャナンは5本のうち2本を、読売ジャイアンツ時代の長野久義(現・広島東洋)に打たれた。2017年と2018年の、どちらも7月だった。この他に、同じ投手と打者の対戦では、唐川侑己(千葉ロッテマリーンズ)vs.茂木、上沢直之(北海道日本ハムファイターズ)vs.秋山、加藤貴之(北海道日本ハム)vs.秋山、エンジェル・サンチェス(読売)vs.近本光司(阪神タイガース)が2本ずつだ。

筆者作成
筆者作成

 同じ試合で両チームの1番打者が先頭打者ホームランを打った――両チームの先発投手が先頭打者ホームランを打たれた――のは、このスパンに3度。2017年8月5日は、加藤翔平(千葉ロッテ)と茂木が打ち、美馬学(現・千葉ロッテ)と涌井秀章(現・東北楽天)が打たれた。美馬と涌井は、当時と在籍球団が互いに入れ替わっている。2019年6月21日は、打者が荻野貴司(千葉ロッテ)と山田哲人(東京ヤクルト)で、投手はブキャナンと二木康太(千葉ロッテ)。2020年7月10日は、それぞれ、梶谷隆幸(現・読売)と近本、青柳晃洋(阪神)と大貫晋一(横浜DeNAベイスターズ)だ。

 また、同じ試合ではないものの、大谷翔平(現ロサンゼルス・エンジェルス)は2016年に、先頭打者ホームランを1本打たれ、先頭打者ホームランを1本打っている。6月5日と7月3日だ。打たれた試合の打順は5番だったが、打った試合は先発投手として登板したので、同じ試合で先頭打者ホームランを打って打たれる可能性もあった。1回裏のマウンドに上がった大谷は、先頭打者の今宮健太(福岡ソフトバンクホークス)を空振り三振に仕留めた。

 個人的にお気に入りのトリビアは、2019年の2本だ。カードは別々ながら、6月23日に福岡ソフトバンクの福田秀平(現・千葉ロッテ)が先頭打者ホームランを打ったのに続き(?)、その翌日にオリックス・バファローズの福田周平が先頭打者ホームランを記録した。

 直近5年の満塁本塁打について書いた「姉妹編」は、こちら。

直近5年に満塁本塁打を「最も多く打った打者」と「最も多く打たれた投手」。歴代最多の中村剛也は2位

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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