WBAミドル級チャンプが練習を公開
初の亡命は失敗に終わり、2008年、スピードボートでメキシコに向かってプロの世界に飛び込んだキューバ人ファイター、エリスランディ・ララ。9月14日にWBAミドル級タイトル3度目の防衛戦を行う。
キューバからの亡命者である41歳のサウスポーは、同じように故郷を後にした1957年生まれの同胞、イスマエル・サラスの指導を受けている。今回の挑戦者は、スーパーライト、ウエルターと2階級を制したプエルトリカン、ダニー・“スウィフト”・ガルシアだ。
ララとサラスは2009年からフロリダ州マイアミで共同作業を開始したが、現在は67歳のトレーナーが経営するラスベガスのジムで汗を流している。
WBAミドル級チャンピオンは言う。
「今回のトレーニングキャンプで取り組んだことに、とても満足しています。ダニー・ガルシアとの防衛戦に向け、とても多くの時間を費やし、十二分に備えています。彼は左右共に強いパンチを持っています。
ですからしっかりと警戒し、ディフェンス面を調整しました。このレベルで戦い続けられるには、理由があります。彼がリングでどんな動きをしても対応できるよう、最高のコンディションでリングに上がります」
ララがメキシコ独立記念日の週末にファイトするのは、15年ぶりだ。2009年、フロイド・メイウェザー・ジュニアvs.ファン・マヌエル・マルケス戦の前座に登場し、自身のプロ8戦目をファーストラウンドKOで飾った。
筆者はその様子を、リングサイドの記者席から目にしている。サイズが違い過ぎる相手に止めを刺さず、省エネファイトするメイウェザーよりも、ララが発したインパクトの方が強かった記憶がある。
9月14日、ララはWBA/WBC/WBOスーパーミドル級タイトルマッチ、サウル・”カネロ”・アルバレスvs.エドガー・ベルランガ戦のセミファイナルに出場する。名のある多くの選手がこの興行に起用されるが、熱狂的なメキシコファンの前で、キューバのルーツをいかに表現するのか。
ララは続けた。
「メキシコ独立記念日の週末に、ダニー・ガルシアというプエルトリコが生んだ偉大なチャンピオンと戦えることは、光栄です。キューバのためだけでなく、テレビで観戦するメキシコ人ファンのためにも戦います。ルーツなど関係なく、観戦するすべての人の心に訴えかけるファイトにしてみせますよ
私はボクシング界で、多くのことを成し遂げたと感じています。ダニー・ガルシアに勝てば、もう一つ大きな勝利を加えられますよね。これまで、ずっと最高の相手と戦ってきましたし、オファーを断ったこともありません。個人的な目標は、いつの日か国際ボクシング殿堂入りすることであり、そのために努力を続けます」
ララとガルシアには、サイズの違いを感じる。果たして、どんなファイトとなるか。