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海外で露呈した自国民のマナー不足…韓国人が自らを「恥ずかしい」と猛省している行動とは?

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
訪日外国人観光客も増加している(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

海外旅行を楽しむ韓国人が増えている。

今年海外旅行を経験した韓国人(1000人)を対象とした、韓国観光公社の調査報告書『2017海外旅行実態と2018年海外旅行トレンド展望』によれば、今年の海外旅行の平均回数は2.6回。前年2.1回から大きく増えたことがわかる。

日本を訪れる韓国人観光客も多い。日本政府観光局の「月別推計値」を見ても、8月の訪日韓国人は前年比35.3%増となった。

以前話題になった“わさびテロ”など、日本で韓国人が巻き込まれたいざこざが増えたのも、そもそも日本に来る韓国人が増加しているからだろう。

韓国人が自らを「恥ずかしい」と思う行動とは

ところが、海外へと旅行する韓国人観光客は増えているものの、彼らのマナーは世界レベルとはいえないらしい。その渡航先の国々が指摘しているのではない。韓国人自らが、自国の人々の海外でのマナーの悪さを指摘しているのだ。

前出の報告書によると、海外旅行中の韓国人のマナー水準は、5.00点満点中2.75点で「普通以下の水準」(『聨合ニュース』)だったという。

「マナーが良かった」と答えたのは全体の17.6%に過ぎず、「マナー不足」が37.4%に及んでいる。

では、韓国人が思わず自らを「恥ずかしい」と感じてしまう行動はなんだろうか。

1位は19.2%を占めた「公共の場でうるさいこと」。駅やレストラン、テーマパークなどで大声で話す韓国人を見かけるが、そういった行為は同じ韓国人として「恥ずかしい」と感じるのだという。

ドイツ留学経験を持つ韓国人がブログで「規則的なドイツ人に比べて、韓国人は無秩序でラフな人が多い。だからドイツ人に嫌われる」と書いていたことがあったが、早急に改めるべき行動だろう。

(参考記事:韓国否定派が65%!! なぜドイツは世界一の“嫌韓国家”なのか

1位以上に深刻な「性売買」「傲慢な態度」

次点の2位は「風俗店への出入り・性売買」(14.9%)だ。特に“遠征売春”は韓国でも問題視されており、とある国会議員が過去に「韓国人女性10万人余りが海外で遠征売春を行っている」と発言したこともある。

その多くが日本で“活動”しているというが、近年はアメリカにも数多く進出しているという。その結果、K-POPガールズグループがアメリカの空港で“売春婦”と誤解されてしまう悲劇が起こったこともあった。

(参考記事:米ロサンゼルス空港で“売春婦”と誤解された韓国ガールズグループの悲劇

韓国人が自らを「恥ずかしい」と感じる行動としては他にも、3位「現地のマナーを認識していないこと」(13.7%)、4位「発展途上国を旅行したとき、現地人に傲慢な態度をとること」(13.4%)、5位「ビュッフェの料理やホテルの備品を持ち帰ること」(5.9%)などが上位となった。

4位の「現地人に傲慢な態度をとる」という行動も、韓国で長らく問題視されてきたことだ。東南アジア、特にフィリピンで韓国人の殺人事件が増加しているが、それを“身から出たサビ”と指摘する韓国メディアも少なくない。

他にも「電車に乗るときなどに順番を守らないこと」(5.3%)、「現地人や現地の文化を侮辱すること」(5.1%)、「ホテルや飲食店でキムチなど特有のにおいの韓国料理を食べること」(4.3%)などが、「恥ずかしい行為」に選ばれている。

一連の報道を見た韓国ネット民たちは、「中国人観光客に文句を言えないね」「韓国人は海外に行っても韓国人で集まって騒ぐ。海外に行かなければいいのに」「以前、ヨーロッパのある国でガイドをしていたが韓国人で恥ずかしいことがあまりに多かった」などと、コメントを書き残している。

女優が軽率写真で大炎上も…

最近も韓国で有名な女優が自身のSNSにアップした写真が原因でネットが大炎上。軽率な行動だ」と集中砲火を浴びる騒動に発展している。

(参考記事:重要文化財によじ登ってVサイン…炎上が尽きない韓国有名人が犯した“軽率すぎる行為”)

ネット掲示板では「現地人の冷たい視線を感じないのか」などと非難コメントが多数寄せられたが、こうした軽率な行動はともすると誰もが一度は行ない、思い当たるところもあるかもしれない。重要なのは、それを他人事と流すか、自らに置き換えて反省するか、だ。

韓国には、「タサンジソク」という四字熟語がある。漢字で書くと「他山之石」となり、日本でいうところの「他山の石」となる。

つまり、今回の調査結果は翻っていえば、韓国の人々の「反面教師」の意識の表れとも言えるのだ。韓国人が自らを冷静に見つめ間違いは正すべきだと考えている結果ともいえる。マナーの悪さを気づき、正すべきだと感じている韓国人も多いのも事実なのである。

いずれにしても、韓国から“海外旅行を楽しむ人々”が増加しているだけに、今後は“マナー”に関する意識を高めていく韓国の人々の姿も増えていくことを期待したい。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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