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日本シリーズで「サヨナラ本塁打」を打った選手は、その年に優勝も味わったのか。吉田正尚は延べ18人目

宇根夏樹ベースボール・ライター
吉田正尚 AUGUST 2, 2021(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

 日本シリーズのサヨナラ本塁打は、これまでに18本を数える。今年の第5戦に打った吉田正尚(オリックス・バファローズ)は、延べ18人目だ。1962~67年に南海ホークスでプレーしたケント・ハドリが、1964年の第4戦と1966年の第5戦にサヨナラ本塁打を記録している。ちなみに、ハドリは、1958~60年にメジャーリーグでプレーしたが、ポストシーズンには出場していない。

筆者作成
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 吉田の前にサヨナラ本塁打を打った、延べ17人中10人は、その年の日本シリーズで優勝を味わっている。もっとも、目の前で対戦相手が優勝した選手も7人いる。サンプル数が少ないことを踏まえると、優勝と敗退の人数にそれほど大きな差はない。それぞれの割合は58.8%と41.2%だ。ハドリは、1964年が優勝、1966年は敗退。その間の1965年も日本シリーズに出場したが、この年は10打数0安打に終わり、南海は1勝4敗で読売ジャイアンツに敗れた。

 また、サヨナラ本塁打で勝った延べ17チームのうち、次の試合も勝利を収めたのは10チームだ。こちらも、優勝の割合を変わらない。ただ、今世紀に入ってからは、2003年の阪神タイガースから2018年の福岡ソフトバンク・ホークスまで、6チームとも、サヨナラ本塁打に続き、次の試合も勝っている。また、2009年以降の4チームは、サヨナラ本塁打による1勝以外にも3勝を挙げ、シリーズを制した。

 なお、サヨナラ本塁打を打ち、そのシリーズで優勝も味わった選手と、敗退したもののチームが優勝まであと1勝に迫った選手を合計すると、17人中15人となる。チームがシリーズ2勝以下は、1966年のハドリと1977年の河埜和正だけだ。1977年の読売は、阪急ブレーブスと対戦し、河埜が12回裏にサヨナラ本塁打を打った第3戦しか勝てなかった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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