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NPB REDが首位でNPB WHITEは準決勝進出ならず【アジア・ウインター・ベースボール】

横尾弘一野球ジャーナリスト
打率.354でNPB REDの打線を牽引する村林一輝(東北楽天)。

 アジアの若手選手たちが、来季の飛躍を目指してプレーするアジア・ウインター・ベースボール2019は、11月23日に開幕したリーグ戦を終了。この時期の台湾・台中市では珍しく各チーム2試合が降雨で中止となったが、出場6チームの順位は以下のようになった。

【アジア・ウインター・ベースボール2019リーグ戦順位】

1 NPB RED    15試合9勝3敗3引き分け

2 社会人選抜    15試合8勝4敗3引き分け

3 味全ドラゴンズ  15試合7勝6敗2引き分け

4 台湾プロ選抜    15試合7勝8敗

5 NPB WHITE   15試合5勝9敗1引き分け

6 韓国プロ選抜   15試合4勝10敗1引き分け

 どのチームの戦いぶりにも大きな差はなかったが、埼玉西武、福岡ソフトバンク、東北楽天、オリックス、東京ヤクルトで編成されたNPB REDが首位となり、千葉ロッテ、巨人、横浜DeNA、阪神、中日で編成されたNPB WHITEは惜しくも5位で、上位4チームが進出する準決勝進出を逃した。

 チーム打率.290、チーム防御率3.07ともトップのNPB REDでは、東北楽天の4年目・22歳の村林一輝がチームトップ、全体でも4位の打率.354をマーク。福岡ソフトバンクで育成2年目・20歳の砂川リチャードは、ただひとり3本塁打を放ち、17打点もトップに立った。埼玉西武の4年目・26歳で、昨秋から野手に転向した川越誠司が16打点で続く。さらに、東京ヤクルトの4年目・22歳で育成から支配下登録への復帰を目指す日隈ジュリアスがトップの防御率0.80で2勝を挙げ、福岡ソフトバンクで砂川と同期の尾形崇斗が3セーブと結果を残している。

個人のスキルアップが目的だが勝敗も重要

 一方、チーム打率.263、チーム防御率4.33に27失策と振るわなかったNPB WHITEでも、阪神の2年目・23歳の島田海吏は全体3位の打率.364で12打点、中日の6年目・27歳の阿知羅拓馬は3試合に先発して防御率2.00と健闘している。ちなみに、中日の根尾 昂は全15試合に出場し、打率.273で長打は二塁打が4、4打点3盗塁とまずまず。センターとショートを中心に、セカンド、ライトもこなした守備でもなかなかの動きを見せたが、試合を重ねるにしたがって疲れが見られるようになっていた。

 そのほか、川崎宗則がコーチ兼内野手で在籍している味全ドラゴンズには、阪神を自由契約となった歳内宏明も所属しており、4試合に先発して防御率は5.14だが、3勝1敗と奮闘している。

 各チームの監督、コーチは「個々の選手が技術を磨き、試合を戦う体力も養う場」としながらも、「選手の仕事は、チームの勝利に貢献すること。そう考えれば、勝敗も重要な評価点にはなってくる」という。12月13日はNPB WHITEと韓国プロ選抜による5・6位決定戦が行なわれ、14日はNPB REDと台湾プロ選抜、社会人選抜と味全ドラゴンズによる準決勝。15日の3位決定戦、決勝で今年の最終順位が決まる。

(写真提供/小学館グランドスラム)

野球ジャーナリスト

1965年、東京生まれ。立教大学卒業後、出版社勤務を経て、99年よりフリーランスに。社会人野球情報誌『グランドスラム』で日本代表や国際大会の取材を続けるほか、数多くの野球関連媒体での執筆活動および媒体の発行に携わる。“野球とともに生きる”がモットー。著書に、『落合戦記』『四番、ピッチャー、背番号1』『都市対抗野球に明日はあるか』『第1回選択希望選手』(すべてダイヤモンド社刊)など。

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