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気象衛星ひまわりで見る宇宙からの山の紅葉

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
気象衛星ひまわりから見た山の紅葉(ウェザーマップ)

山の紅葉は最盛期に

11月に入り、関東周辺の山の紅葉は最盛期となってきました。

タイトル画像は、地球の上空約36000キロの円軌道を周回している静止気象衛星ひまわりが捉えた関東地方の姿です。10月2日の段階ではまだ山は緑色が目立っており、紅葉している茶色の部分は主に山岳部だけという状態でしたが、1か月以上経たきのう11月6日(日)には様相が一変し、山の大部分が赤茶けており、山の紅葉が最盛期に入ってきたことが分かります。

ではどれ位の標高の所で、見ごろとなっているのでしょうか?

紅葉10、10、10の法則

標高と最低気温10度未満の日数(筆者作成)
標高と最低気温10度未満の日数(筆者作成)

紅葉はその色づく木々の種類により、早いもの、遅いものがありますが、おおむね朝の最低気温が8度以下に下がると始まると言われており、5度以下に下がると見頃~最盛期を迎えることになります。

これをもっと簡単な指標で表すことが出来ないかと思い、筆者が考えたのが紅葉10、10、10の法則です。

これは朝の最低気温10度未満の日数に注目したもので、10度未満の日数が10日程度で色付き始め、更に10日程度(合計20日)で見ごろを迎え、更に10日程度(合計30日)で最盛期を迎えるというものです。なおその後は落葉の季節を迎えます。

もちろんその場所の地形や樹木の種類、気温の低下がゆるやかな年や急激な年など、上記の目安より早くなったり、遅くなったりすることはありますが、気温の低下と紅葉の進行具合を調べた結果、かなりよい目安になることが分かりました。

そして上図はきのう11月6日(日)現在の各地の最低気温10度未満の日数を調べたものです。標高1200メートル以上ある奥日光や草津などは30日を大きく上回っており、すでに落葉の季節に入ってきていると思われます。実際に氷点下に下がる日も増えていますので、枯葉が舞い散る季節の到来でしょう。

ちょうど今、見ごろから最盛期となっているのが、標高500メートルから1000メートル付近の那須高原やみなかみなどで、10度未満の日数は20日から30日程度となっています。ただ軽井沢など標高1000メートル付近では、すでに最盛期は過ぎてきたかもしれません。

宇都宮や前橋など、平地でも10度未満の日数が10日以上に達し、だいぶ色づき始めたと思われます。ただ東京都心はまだ4日ですから、見ごろとなるのは11月下旬以降となりそうです。

だれでも簡単にチェックできます!

上記のデータは気象庁のHPからだれでも簡単にチェック出来ます。

気象庁HPの過去の気象データ検索より、都道府県を選び、そこから各地点を選んで、日毎の気象データを参照すればいいのです。ちなみに、地点名にマウスを持って行くとその地点の標高も表示されるので便利です。

紅葉10、10、10の法則は、あくまでも目安であり、絶対的なものではありませんが、紅葉に行かれる場合の参考などにして頂きたいと思います。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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