オーストラリア軍 戦車や人に奇襲攻撃ができる小型自律型無人ロボット導入へ
茂みなどに長時間潜伏して敵を認識したら奇襲攻撃
オーストラリアのロボットメーカーのGaardTechはオーストラリア軍に小型無人ロボット「Jaeger-C」を提供することを発表した。2022年にオーストラリア軍は試験運用を行う。小型のJaeger-Cは茂みなどに潜伏していて敵の戦車や人に向かって行き奇襲攻撃を行うことができる。
人間の軍人がリモートで操作することも可能だが、自律しての運用も可能。茂みなどに長時間にわたって潜伏しており、敵を検知すると自律的に敵軍の戦車や人に近づいていき、奇襲攻撃を行う。
人間に対して攻撃を行うモードはチャリオット・モードと呼ばれ、古代の戦争に用いられた戦闘用馬車のチャリオットに由来している。また戦車に対して攻撃を行うモードはゴリアテ・モードと呼ばれ、旧約聖書に登場するペリシテ人の巨人兵士に由来している。
AI(人工知能)技術の軍事分野での活用は進んでおり、人間の判断を介さないで兵器が判断して標的を攻撃する「キラーロボット」と称される自律型殺傷兵器の開発も進んでいる。人間の判断を介さないで標的や人を攻撃して殺傷することが非倫理的、非人道的であると国際NGOやAI研究者、一部の国などが自律型殺傷兵器の開発と使用には反対している。
国連のグテーレス事務総長も自律型殺傷兵器の開発には反対を訴えている。しかし安全保障理事会の常任理事国5か国のうちアメリカ政府、ロシア政府、イギリス政府、フランス政府は自律型殺傷兵器の開発にも使用にも反対していない。中国政府は自律型殺傷兵器の使用には反対を表明しているが、開発することには反対していない。
▼「Jaeger-C」プロトタイプ紹介動画