週末にかけて記録的な暖かさに、東京都心は師走史上2度目の2日連続20度以上か
週末にかけて上空は季節外れの暖気流入
きょう5日(火)は、日差しのほとんどなかった関東から九州にかけての太平洋側で気温が上がらず、最高気温は、東京都心9.8度、名古屋9.0度、大阪10.4度、高知11.7度など、真冬並みの寒さとなりました。(17時まで)
ただこれは上空に強い寒気が流れ込んだわけではなく、南海上を進む南岸低気圧の影響で、曇りや雨となったためで、上図のように上空1500メートル付近の気温は、きょう5日(火)午前9時の段階でも、平年より高いことを示す赤色に覆われた状態です。このため、晴れた札幌の最高気温は10.5度と平年より約7度も高く、11月上旬並みで、東京都心より高くなったほどでした。
今週後半にかけて、北日本は一時的に強い寒気が流れ込むタイミングがありますが、総じて平年よりは高く、特に週末の9日(土)頃は、北日本を中心に平年より10度以上も高い季節外れの暖気に覆われる見込みで、列島全体が赤色で埋め尽くされている状態です。
東京都心は師走史上2度目の2日連続20度以上か
季節外れの暖気が流れ込む影響で、東京都心は、あさって7日(木)は19度、そして週末の9日(土)、10日(日)と2日連続で、10月下旬並みの20度が予想されています。そこで師走の20度以上に関して調べてみました。
東京都心で12月に20度以上まで上がるのは、特に珍しいことではなく、観測の始まった1875年から昨年2022年までの148年間で、計34日観測されています。
この内1875年から1974年までの100年間で18日だったのに対し、1975年から2022年までの48年間で16日ありますから、やはり近年は都市化や温暖化の影響で、20度以上が出やすい環境にあると言えます。
しかし、12月に20度以上が2日以上あった年を調べると一気に少なくなり、1890年3日(6日、9日、14日)と2018年2日(4日、5日)の2年しかありません。これは20度以上に上がったとしても、翌日には寒気に入れ替わって寒くなることがほとんどなためで、週末に予想されているように2日連続で20度以上まで上がれば、師走史上2度目のこととなります。
また今から100年以上も前の1890年に20度以上が3日もあったことは驚きですが、もしあさって7日(木)、そして週末の土日に20度以上となれば、こちらの記録にも並ぶことになります。
各地で季節逆行の暖かさに
上図のように、暖気がピークとなる9日(土)から10日(日)にかけては、東京都心以外も関東から九州では20度前後まで上がる予想で、気象条件によっては、22度以上まで上がる所もあるでしょう。日中は上着要らずの陽気となるかもしれません。
また北日本も極めて高くなり、9日(土)は仙台で平年より約10度高い19度、青森で平年より約12度高い17度、札幌で平年より約10度高い13度などが予想されています。ところが寒冷前線が通過した後、10日(日)には一気に気温が下がる予想で、気温差に要注意です。