日本代表の欧州遠征メンバーが発表。サンドニでの大敗から10年で日本はどれだけ進化したのか
10月4日、12日のフランス戦、16日のブラジル戦に臨む日本代表の遠征メンバーが発表されました。
今回のメンバー発表に伴い、アルベルト・ザッケローニ監督は次のようなコメントを残しています。
「今回の遠征は、世界の強豪国と日本国外で試合を行うことを、日本協会にリクエストして実現した。ヨーロッパや南米を代表する強豪との試合を通して、日本代表が更に成長していくために、インターナショナルレベルでの戦いという貴重な経験を得ていければと考えている」
「招集メンバーは、これまでから大きな変更はないが、いつもと同様に、選手選考の作業は非常に難しいものであった。乾(貴士)に代表されるように、海外のクラブで活躍している選手たちを手元で直接見てみたいという思いもあった」
「招集するメンバー以外にも、多くの呼びたかった選手もおり、それだけ多くの選択肢があるということは、現在の日本サッカーのクオリティの高さを表していると思う」
「海外のクラブに所属している選手の中では、プレー機会や出場機会に恵まれている選手もいるが、少ない時間であっても出場した際にはその実力を証明していると感じている」
「フランスは、テクニックとフィジカルが良いバランスで融合されているチームという印象を持っている。(ディディエ)デシャン監督体制で素晴らしいスタートを切っており、パリ・サンジェルマンの躍進もあって、フランスサッカー自体がヨーロッパの中での大切なポジションを再び取り戻しているように感じている。ブラジルについては、あらためて言及する必要もないくらいに、豊富なアイディアとクオリティの高い技術に溢れているチームだと思っている。
9月11日のワールドカップ・アジア最終予選のイラク戦から比較すると、【OUT】が岩政大樹、水本裕貴、酒井高徳、槙野智章、岡崎慎司、原口元気の6選手で、【IN】が今野泰幸、栗原勇蔵、内田篤人、乾貴士、宮市亮の5選手。
個人的には、Jリーグで得点王も有力な佐藤寿人選手や、ホッフェンハイムで躍動する宇佐美貴士選手のプレーを見たかったという思いもありつつ、結果を出している「これまで」から「大きな変更はない」というザッケローニ監督の指針には納得もいきます。
先月、まさに、そのイラク戦が開催されていたタイミングで、内田篤人選手と乾貴士選手のインタビュー(『サムライサッカーキング』10月12日発売号に掲載)に行ってきたのですが、「日本が世界の強豪と肩を並べ、上回るために必要なことは?」という質問に内田選手は「“勝ち癖”と、強い相手に勝てる方法を身につけることが大切」と話してくれました。フランス戦ではフランク・リベリーとのマッチアップも注目されますが、その点については「みんな(代表のチームメート)勘違いしてるんですよ。僕が簡単にリベリーを止められるって思ってる。ふざけるなと。どんだけ、死ぬ気でやってるかって話ですよ(笑)」と、らしい切り返しも。
一方の乾選手は、サッカー選手としてかなえたい夢を「昔は、スペインでやりたいという思いがありましたが、最近は少し変わってきて、ワールドカップに出場したいという気持ちが強くなっています」と表現。「代表に定着していない自分」という言い回しを使っていましたが、フランクフルトでの活躍が実を結び、2月のウズベキスタン戦以来、約7カ月ぶりに代表復帰を果たした乾選手。その思いを聞いてきたばかりの自分にとっても、テンションの上がる代表メンバー発表となりました。
スタッド・ド・フランス(サンドニ)でのフランス戦と言えば、思い出すのは、2001年3月の一戦。日本が0−5で大敗した試合です。ジネディーヌ・ジダン、ティエリ・アンリ、シルヴァン・ヴィルトール、ダヴィド・トレゼゲ(2得点)と、フランス黄金期のメンバーが日本のゴールネットを揺らしました。
あれから10年半。今の日本と世界の強豪国との距離を測る上でも、注目の一戦となりそうです。もちろん、16日のブラジル戦もですが。