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「危険な男」WBAライト級レギュラー王者が練習を公開

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
Jose Pineiro/SHOWTIME

 現地時間12月21日、フロリダ州マイアミビーチの「5thストリートジム」で、WBAライト級レギュラー王座のジャーボンテイ・"タンク"・デービスが、公開練習を行った。

 27戦全勝25KOのデービスは、1月7日に16戦全勝10KOのWBAスーパーフェザー級チャンピオン、ヘクター・ルイス・ガルシアの挑戦を受ける。

Jose Pineiro/SHOWTIME
Jose Pineiro/SHOWTIME

 デービスは集まった記者たちに向かって話した。

 「ヘクターは『ノックアウトを狙う』と話しているが、口だけで、発言とは違う戦い方をするよ。ただ、リングに上がるまで何が起こるかわからない。今、俺は子供たちとも過ごしているが、休日を返上して試合に集中している。

 どんな相手だって、向かい合う時は危険だ。ヘクターは長い間、俺とのファイトのためにトレーニングしてきた。単なる一挑戦者じゃない。強豪を下しているし、耐久力もある。負け知らずだし、素晴らしい選手だ。油断したらKOされちまう。

Jose Pineiro/SHOWTIME
Jose Pineiro/SHOWTIME

 俺は対戦相手全員を、早めに料理しようとは思わない。パンチ力だけでなく、技術もあること、そのうえボクシングのIQの高さも証明したい。

 すべての試合が、自分が目指す地点への踏み台なんだ。ヘクター戦は、その中でも重要なピースだと感じている。誰もが俺の未来に期待するような、良いパフォーマンスを見せねば」

Tom Hogan/Golden Boy
Tom Hogan/Golden Boy

 さて、デービスは今回の試合で勝利することを前提に、4月15日に23戦全勝19KOのライアン・ガルシアと戦うプランが進んでいる。

 そのライアンは先日、1月28日に組まれていたスーパー・ライト級のチューンナップ試合、メルシト・ゲスタ戦をキャンセルした。デービスとのファイトに集中するためである。既に契約書にサインしたにもかかわらずだ。

 ライアンは言った。

 「タンクを2ラウンドでKOしてやる」

 また、ライアンはツイートでこう加えた。「ファンは、既に俺の調整試合を見てきたと思う。彼らが望むものを提供する時が来た」

Jose Pineiro/SHOWTIME
Jose Pineiro/SHOWTIME

 「5thストリートジム」でデービスは、ライアン・ガルシアについても語った。

 「俺たちの対決前に試合をしないなんて怠慢だ。ジムできちんと練習しているようだし、リングでしこたまカネも稼いだんだろう? パーティーでもやってるのか。手遅れになる前に引き締めるのはヤツ自身だぜ。

 とは言え、ライアン・ガルシア戦が、より大きなファイトへの扉を開いてくれることを期待する」

写真:Shutterstock/アフロ

 デービスはライアン・ガルシア戦を実現させるために、もう一人のガルシアを仕留めねばならない。どんな一戦になるだろうか。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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