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竜王R戦22連勝&公式戦16連勝の藤井聡太二冠 3月23日、1組昇級&本戦進出をかけ松尾歩八段と対戦

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 3月23日。東京・将棋会館において竜王戦2組準決勝・藤井聡太二冠(18歳)-松尾歩八段(40歳)戦がおこなわれます。

 藤井二冠は阿久津主税八段、広瀬章人八段を降してベスト4に進出しました。

 一方の松尾八段は深浦康市九段、千田翔太七段に勝っています。

 竜王ランキング戦、6組から2組までは決勝に進出すると上の組への昇級が決まります。

 また2組では優勝者と準優勝者の2人が本戦トーナメントに進出できます。言うまでもなく、準決勝は非常に大きな意味を持つ大一番です。

 松尾八段は1組在籍8期。挑戦者決定戦に進出したこともある実力者です。

 ちなみに藤井二冠、松尾八段、そして豊島将之竜王は、同じ愛知県出身でもあります。

 藤井二冠と松尾八段は2017年12月、朝日杯二次予選(持ち時間各40分)で対戦。当時、藤井二冠はまだ四段でした。

 松尾八段は基本的に居飛車党です。しかしこの一局では序盤の駆け引きの末、先手の松尾八段は中飛車に振り、穴熊に組みました。

 藤井四段が仕掛けて戦いが始まり、角桂交換の駒損ながら中段に龍を引きつけ、形勢はほぼ互角です。

 終盤、藤井四段は穴熊の弱点である端攻めに出ます。使いづらいはずの桂3枚を穴熊上部に3連打して、きれいに攻略。最後は松尾玉をきれいに即詰みに討ち取って、強敵を相手に勝利をあげています。

 藤井四段は朝日杯本戦でも勝ち進み、史上最年少15歳で朝日杯優勝を飾っています。

 通算勝率8割4分を超える藤井二冠。その中でも特に順位戦、竜王ランキング戦、朝日杯の成績は傑出しています。

 藤井二冠は竜王ランキング戦において現在22連勝中です。

 また藤井二冠は現在公式戦16連勝中です。

 松尾八段は連勝ストッパーとなるでしょうか。

 藤井二冠は来期、順位戦ではB級1組に所属します。

 松尾八段はB級1組の「番人」と呼ばれる存在。来年度、そちらでも両者の対戦は組まれることになります。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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